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「不登校」減った豊島区、「リスタート支援」「実態把握」・・・学びの多様化学校の先駆け「高尾山学園」のノウハウで対策を加速

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柚子の木教室
不登校児童生徒数が減った豊島区。どのような手を打ったのか?(写真:豊島区)
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昨年度末から今年度にかけては、「柚子の木から、チャレンジクラス『スリジエ』へ」というスキームも確立できたという。

チャレンジクラスとは、24年度から始まった都独自の取り組みで、公立中学校に設置された不登校生徒対象の校内分教室だ。生徒1人ひとりの状況に合わせて学びを支援する場となっている。豊島区は25年度に、西池袋中学校に「スリジエ」という名称で開設。25年度は12人、26年度は17人が通っており、登校率は80%とチャレンジクラスとしては高い。

西池袋中学校のチャレンジクラス「スリジエ」(写真:豊島区)

26年度は希望者7名全員がスリジエへの転入を叶えたが、希望すれば誰でも転入を認めているわけではない。

「スリジエを希望する生徒や保護者には、事前に『スリジエはユートピアではありませんよ』とお伝えしています。登録さえすれば不登校が解消されるわけではなく、お子さんの通いたいという意思が重要だからです。ずっと休んでいた子がスリジエに入ってもすぐに行けるとは限りませんので、今年度からは準備段階も設定しました」(木田氏)

まずは柚子の木に通ってエネルギーが貯まってきたらスリジエで2週間過ごし、周囲の生徒と関わることができ、登校状況が概ね良好であれば正式にスリジエに入ることができる仕組みにした。このように段階的に授業参加意欲を見取るスキームは、「適応指導教室『やまゆり』を経て正式に転入する」という高尾山学園のやり方を参考にして作られたものだ。

「日陰の存在にさせない」

また、スリジエのあり方も明確で、「肩身の狭い思いをさせないというのが、豊島区のコンセプト」と木田氏は強調する。

「『不登校の子どもを日陰の存在にさせない』というのが豊島区の考え方。スリジエの生徒と通常学級の生徒の入口や動線もあえて同じにして、日常的に関わり合えるようにしています。最初は緊張していた子も2〜3カ月もするとできることが増えていきます。校内行事を裏方として支えるうちに自信がつき、運動会でプラカードを持って参加できるようになった子、保護者向け説明会で自らスリジエについて説明する子、積極的に新入生のフォローをする子など、表に立てるようになってきた子が多くいます」(木田氏)

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【児童生徒の実態把握にも注力】

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