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「相手の親に言ってほしい」…なぜ子どものトラブルで学校に電話する?家庭同士の"調停機関"と化す学校

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リビングで電話する女性
(写真:Graphs / PIXTA)
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さらに、学校外トラブルの中には、学校で「指導して終わり」にできないものもあります。万引き、住居侵入、器物破損、他人の車へのいたずら、公共物の破壊などです。これらは、子ども同士の行き違いというより、犯罪性や賠償責任が関わる事案です。

もちろん、関係する子どもが同じ学校にいれば、学校生活への影響はあります。学校としても、必要に応じて状況を把握し、子どもの様子を見ます。しかし、第一義的には家庭と警察、被害者との間で扱うべき問題です。学校は警察でも、弁償交渉の窓口でもありません。

学校対応のまずさが、問題をこじらせる

とはいえ、学校側にも反省すべき点はあります。

それは、個々の教師の対応の遅さや説明不足だけではありません。もっと根本には、学校がこれまで何でも引き受けすぎてきた歴史があります。

子どものことだから。保護者が困っているから。地域の問題だから。学校が間に入ったほうが丸く収まるから。そう考えて、学校が善意で抱え込み続けた結果、「学校に言えば何とかしてくれる」という期待を社会が育ててしまった面があります。

本来は家庭で扱うべきこと。学童で扱うべきこと。警察や関係機関に相談すべきこと。保護者同士で向き合うべきこと。それらまで学校が抱え込んできた。その境界線の曖昧さこそ、学校対応のまずさの根本です。

ただし、保護者から相談を受けたとき、「それは学校外なので関係ありません」と最初から切ってしまえば、不信感を招きます。一方で、「わかりました。こちらから相手の親に言っておきます」と安易に引き受けるのも危険です。事実確認が不十分なまま相手家庭へ伝えると、学校が一方の家庭の言い分だけを届けたように見えるからです。

また、対応が遅いことも不信につながります。保護者が最も不信感をもつのは、「先生から聞いていない」という状態です。学校内でけがやトラブルが起きた場合には、子ども本人が家庭で話すより先に、学校から一報を入れることが重要です。

ただし、これは「即レスしろ」という意味ではありません。必要な一報は早く入れる。一方で、事実が整わないまま断定しない。相手家庭へすぐに伝言しない。連絡帳やメールで応酬しない。個人判断で約束しない。この使い分けが重要です。

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【子どもを守るとは、大人がすべて処理することではない】

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