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人気のJR只見線「知られざる運休増加の現実」 国内外から観光客が訪れるが持続性には課題

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国内外から多くの観光客が押し寄せる只見線だが、冬場は運休することも多い(写真:くまちゃん/PIXTA)
  • 櫛田 泉 経済ジャーナリスト
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さらに、東日本大震災の陰に隠れて大きく報道されることがなかった2011年7月新潟・福島豪雨の真実についても星さんは重い口を開いてくれた。星さんが語る。

「2011年の新潟・福島豪雨では、只見川流域で全壊23戸を含む103戸の住宅被害があったほか、農地被害はもとより国道、町道、JR只見線の橋梁複数が流出するという甚大な被害を受け、流域の住民は生活の基盤を失いました。只見川流域にある滝ダムの浚渫作業用の台船が流され、只見線の橋を直撃し破壊したことが明らかな理由です。

こうしたことから2014年に滝ダムに係留していた台船など9艘を流出させた過失などを争点として電源開発と東北電力に対して損害賠償請求を求める訴訟を起こしましたが、残念ながら地裁と高裁で請求が棄却されました。電力2社からは自然災害ということで被災者に対して見舞金は支払われましたが、最終的には過失を認めていません」

2011年の新潟・福島豪雨で濁流に呑まれる只見川第四橋梁(写真:星賢孝)

災害リスクは今も残る

さらに星さんが続ける。

「私はこのとき国道が通行止めだったことから、決死の覚悟で徒歩で山越えをして、豪雨被害の状況の写真を撮っています。破壊された橋梁上部を濁流が流れ、そこに巨大な台船が激突したら橋梁が破壊される事は子供でもわかる道理が、魑魅魍魎の大人社会では曖昧模糊に誤魔化され結局、福島県もJRも電力2社に対して被害を主張せず、壊れたインフラについては税金で直してしまったのは問題だったと思っています。

また、このとき只見川流域にある東北電力本名ダムの職員の方が『長雨で本名ダムの貯水量が満水になって放流するよう』に訴えていますが、会社からは『水の1滴はとても大切なのでやたらに放流できません』と断られたと法廷で意見陳述しています。その結果、本名ダムの堰堤を水が超えてしまい、只見線橋梁の破壊や本名ダム直下の住宅が流出するなどの甚大な被害となったわけです。また、2名の作業員が死亡しています。

当時は台船の流出による洪水被害を訴える決起集会などを開き、県内のマスコミも取材には来てくれたものの、結局、報道してもらえることはありませんでした。現在も只見川流域のダム湖には土砂が堆積し続けており引き続き災害のリスクがあることから、防災を目的として『只見川ダム災害金山町被災者の会』は活動を続けています」

滝ダムに係留されていた浚渫工事用の台船が只見川第四橋梁の下流で見つかった。本名ダムと上田ダムの堰堤を乗り越えて鉄橋を破壊しながら流されたとみられる(写真:星賢孝)
【写真を見る】人気のJR只見線「知られざる運休増加の現実」 国内外から観光客が訪れるが持続性には課題(5枚)

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