画像生成AIも活用しているが、納品物そのものには使わない。クライアントとの「共通認識」を作るためのたたき台として使う。
「『かっこいい感じで』という依頼は多い。ただ、かっこいいの定義は人それぞれだ」と国府島氏。イメージのすり合わせに画像生成AIが役立つ。
以前は、Google画像検索で近いイメージを探し、Photoshopで切り抜いて合成していた。企画書1本を作るのに膨大な時間がかかっていたが、画像生成AIの導入で作業時間は半分以下になった。
最終的な納品物はデザイナーが手作業で仕上げる。「デザインの細かい部分、ディテールのところはまだ思った形になっていない。ここを修正するなら手を動かした方が早い」と国府島氏は現状を評価する。
一方、「画像処理」としてのAI活用は実用段階にある。2026年2月に横浜アリーナで開催されたエヴァンゲリオン30周年イベントでは、同社が企業ブースの運営を担当した。大型の壁面出力には高解像度の素材が必要だが、元素材の解像度が足りないケースがある。そこでTopazのアップスケーリングツールを使い、フルHD素材を4K相当まで拡大処理した。
「生成AIという言葉に慎重なクライアントもいる。その場合は『画像処理』と説明している」と国府島氏。AIで存在しないものを作り出すのではなく、既存素材の品質を上げる用途であれば、クライアントの理解も得やすい。
月30万円のAI投資、見直しも視野に
AI関連の支出は月30万円に達している。Google Workspaceの上位プラン(Gemini機能を含む)だけで10万円近くかかる。ほかにCopilot、Notta(議事録作成)、Midjourney(画像生成)などを契約しており、8名の会社としては大きな金額だ。
「ちりつもでトータルを見ると、けっこうな金額になっている」と国府島氏は認める。2026年は適正化を進める方針で、使わないツールの解約を進めている。主軸となるAdobeとGoogleは残し、それ以外は取捨選択する考えだ。
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【「情報源としてではなく、作業を分担する相手として使う」】
