同社がもっとも活用しているのは、Googleが提供する「NotebookLM」だ。PDFや文書ファイルをアップロードすると、その内容に基づいて質問に回答してくれるAIツールで、2024年に日本語対応した。外部のウェブ情報を参照せず、入力した資料の範囲内で答えを返す点が特徴だ。
同社では案件ごとにNotebookLMのプロジェクトを作成する。クライアントとのメールのやり取り、会議の議事録、出展者マニュアル、会場の図面、クライアント企業のホームページ情報まで、案件に関するあらゆる資料を読み込ませていく。ファイル数の上限は200件のため、必要に応じてファイルを統合しながら調整する。
こうして作った「案件専用のAI」に対して、企画書の構成案を質問したり、マニュアルの作成を依頼したりする。進行台本のたたき台を出させることもある。
「壁打ちができるパートナーになる。この案件のことを分かった人間との壁打ち感がある」と国府島氏は説明する。GeminiやChatGPTに同じ質問をすると、外部から引っ張ってきた情報が混ざることがある。NotebookLMは入力した資料内で完結するため、案件固有の文脈に沿った回答が得られる。
会議での活用も進んでいる。300ページの出展者マニュアルをNotebookLMに入れておけば、クライアントからの質問にその場で対応できる。「競合さんがよくやるのが『確認します』と持ち越すこと。僕らはその場で答えていく」と国府島氏。会議の効率が上がり、クライアント側の待ち時間も減った。
「セカンドオピニオン」でハルシネーションを防ぐ
生成AI特有の課題である「ハルシネーション」(事実と異なる回答を生成する現象)には注意を払っている。
国府島氏がX(旧Twitter)の投稿ネタを探そうとGeminiに依頼したところ、まだ発表されていない情報をあたかも当日発表されたかのように回答してきたことがあった。「お前嘘つくなよ、という感じ」と国府島氏は苦笑する。
対策として採用しているのが「セカンドオピニオン」方式だ。Geminiで調べた内容をPerplexity(AI搭載の検索エンジン)で再確認する。NotebookLMの回答をGeminiに読ませて検証することもある。複数のAIツールを横断して確認し、企画書に誤情報を入れないよう工夫している。
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【画像生成は「共通認識づくり」に使う】
