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神戸市地下鉄「廃止も検討」された海岸線の未来 JRの「都会の秘境駅」和田岬方面と結ぶ市民の足

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神戸市営地下鉄海岸線 三宮・花時計前駅
神戸市営地下鉄海岸線の始発・終着、三宮・花時計前駅の地上出入り口。駅名の「花時計」は市役所本庁舎南の東遊園地に移転して駅前にはない(編集部撮影)
  • 山本 学 神戸経済ニュース編集長
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厳しい採算が想定されたことは、海岸線の駆動方式にも表れている。動力は車体に取り付けた電磁石と線路に敷設した金属板の磁力から得る「鉄輪式リニアモーター」を採用した。

回転式モーターを台車に載せる従来の電車と比べて車高を下げられるため、トンネル断面積を小さくできる。全体として建設費を抑えられるのが特徴だ。急勾配・急曲線に対応できる強みもある。

開業時の海岸線「5000形」車両。海岸線のシンボルカラーであるブルーのラインが入っている(神戸市提供)

当初から予想された採算の厳しさ

大阪メトロの長堀鶴見緑地線、都営地下鉄大江戸線に続いて3例目の採用になった。地上の鉄道と互換性のある車両を走らせるよりも、とにかく建設費を抑えて、のちの減価償却費を抑えようという試みだった。新路線の経営に自信がなかったとは言わないまでも、採算が厳しいことは予想されていたとうかがえる。

「政策の失敗」という発言は、18年に甲南大学で久元市長が講師を務めたときのもの。のちに議会で発言の真意を問われ、「受益と負担の観点から、どう政策を作ったらいいのか、その時には過去の政策の検証ということも必要だという観点から申し上げた」と説明。将来世代に負担を先送りする「典型例」とも指摘した。

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【足元で乗客は増加基調】

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