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「マーラータン」の名がつけば何でもアリ…外食チェーンも続々参入、日本で独自進化を遂げる"魔改造マーラータン"の大増殖

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日本でさまざまなアレンジがされるマーラータン(写真:筆者撮影)
  • 阿生 ライター
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マーラータンの漢字についても、日本独自の表記で広まっている。中国大陸では簡体字で「麻辣烫」、繁体字では「麻辣燙」と表記する。「燙」の字には、熱い湯の中にさっとくぐらせるという意味がある。日本の常用漢字にはない漢字であるため、メディアで表記される場合やSNS投稿では「湯」の字が使われ、今では「麻辣湯」として定着している。

「湯」は中国語ではスープの意味であるため、表す料理の意味は異なるのだが、ここまで定着した今から変わることはないだろう。「麻辣湯」という字を読んで、マーラースープベースの食べ物だと理解されたことで、マーラーすき焼きやつけめんのスープまでひっくるめて「マーラータン」の一部として広まっていったということも考えられる。

もともとは中国でもアレンジされて広がっていった

マーラータンがアレンジされているのは、日本だけで起きている現象ではない。もともとは中国・四川省がマーラータンの発祥といわれているが、辛いものを好んで食べる四川のマーラータンは、唐辛子や花椒が多用されており、真っ赤なスープが特徴的だ。

中国においても、すべての地域で辛い食べ物が好まれるわけではない。そのため、四川のマーラータンがほかの地域に持ち込まれた際には、辛さが控えめになったり、マイルドなアレンジが加えられたりした。

日本で流行っている楊國福麻辣燙も、中国の東北部に位置する黒竜江省発祥のチェーン店である。スープに牛骨や粉ミルクを加え、「クリーミーでコクのある飲めるスープ」にアレンジしたことで、幅広い層に受け入れられるようになった。その後、中国全土へと展開していき、店舗数は6000店を突破。さらには日本でもブームとなったのである。

高円寺にあるヤンチャンマーラータンは四川式のマーラータンを提供するめずらしいお店だ(写真:筆者撮影)

東京の街中を歩いていると、至る所でマーラータンを見かけるようになった。供給が需要を上回る勢いで増えすぎているようにも感じる。加えて、チェーン店などでもこぞってアレンジマーラータンの商品を販売しており、食傷気味になっている感もある。若い女性のブームがマーラータンの次へ移ってしまった際には、タピオカの店が一斉に姿を消した時のような状況になることも想像される。

競争が激化した今、ほかの店のマーラータンと差別化するために、独自のアレンジを凝らした魔改造マーラータンは、今後さらに登場することが想像される。最後はラーメンのように定着していくのか、それとも一時のブームとして消費され、名前だけが別の商品やサービスに残っていくのか。ブームの行く末を見守りたい。

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