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ただのパフォーマンスか、政局の新たな火種か? 再審制度見直しでブチ切れ「稲田の乱」が巻き起こす"女の戦い"の延焼範囲

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稲田朋美
司法制度調査会と法務部会の合同会議で発言する稲田朋美議員(中央)(写真:共同)
  • 泉 宏 政治ジャーナリスト
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「マスコミが退室するまでに私、一言言わせてもらいたいんですよ!」「マスコミが出た後で議論したときに、1ミリも私たちの言うこと聞かないじゃないですか。ここでの議員の発言、ほとんどすべてが抗告禁止じゃないですか。ほとんどの議員がそう言っているにもかかわらず、これをまったく無視している!」

執行部側の再三の静止や出席者からのヤジを振り切る形で叫ぶ稲田氏の必死の形相に、報道陣も色めき立ち、大慌てで取材を再開した。

過去に高市氏らと「初の女性首相」の座を競い、政局絡みで話題を振りまいた稲田氏。それだけに今回の派手な言動はすぐさまSNSで拡散、「稲田の乱」と名付けられ、テレビなどが盛んに報道した。

当の稲田氏は、その後のインタビューなどで以下のように振り返る。

「なぜ、あのときキレたのか」という“直球質問”には、「このままでは何のための再審法改正かわからないまま議論が進んでしまうと考えて立ち上がった」と説明。そのうえで「確かに私は怒っていましたが、実は非常手段をとったのは私で3人目。ただ、タイミングもあって、私の発言が注目されました」と苦笑した。

稲田氏の経歴を見ると、1959年福井県生まれの67歳。早稲田大学法学部を卒業後、弁護士となり、2005年に衆院福井1区から出馬し初当選。当選8回で、主に安倍政権下で自民党政調会長や幹事長代行、防衛相などを歴任した。

故安倍元首相から「朋ちん」と呼ばれて寵愛され、自らも「初の女性首相を目指していた」(周辺)とされる。だからこそ、今回の言動に「ライバルだった高市氏に先を越された悔しさが隠せない」(政治ジャーナリスト)といううがった見方も広がる。

展開次第では政権の新たな“火種”にも

自民党内の反応を見ると、現状では稲田氏らの動きを冷笑する声が圧倒的多数派だ。検察官抗告の全面禁止を公然と主張する議員は今のところ30人以下とみられており、ほかのほとんどの衆参議員は依然として賛否を表明しない「静観派」だ。

刑訴法改正案は首相が直接国会答弁に臨む「重要広範議案」にも指定されており、多くの議員は「法務・検察当局に楯突くと、仕返しが怖い」というのが本音。そのため、多くの自民党議員は「再審法にはできる限り関わりたくない。稲田氏ら今回の“反乱軍”はいつか検察に刺されるぞ」などと首をすくめてささやき合う。

それでも、政界関係者の中には「今回の稲田氏の動きには高市首相も心穏やかではないはず」(自民党長老)との声が少なくない。「もともと党内タカ派だったはずの稲田氏の“変身”は、内政・外交両面でどんどん右傾化する高市政権への警鐘」とみる向きもある。今後の展開次第では政権の新たな“火種”にもなりかねない。

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