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築60年東京にある"昭和マンモス団地"で「1泊避難体験」 震災きっかけに11年続く防災の輪

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防災イベントの様子
1968年に入居開始した「町田山崎団地」では、最近若い世代が増えているという(撮影:片山貴博)
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しかも町田山崎団地は、団地の敷地内や隣接するエリアには、幼稚園が2園、保育園が4園あり、若いファミリーには知られた場所。町田駅近くのマンション暮らしのお子さんが園バスで通っているほど。この環境で子育てしたいと考える若い世代は少なくない。

MUJI HOUSEとのリノベーションプロジェクトにより、団地の意匠を残しつつ、白にリノベーションされた室内(実際は家具はついていない) (画像提供/UR都市機構)

駄菓子屋3代目は団地で生まれ育った設計士

団地内の商店街にも変化がある。一時期は空き店舗も目立ち、閑散としていたが、現在、商店会に空室はない。

イベント当日も多くの子どもたち、親子連れがひっきりなしに訪れていたのは、おもちゃ&駄菓子屋「ぐりーんハウス」。

団地ができた当初から営業を続ける、まさに商店街の顔だ。現在のオーナーの除村千春(よけむら・ちはる)さんは3代目で、本職は設計士。もともとこの団地で小学校2年生まで生まれ育ち、「この場所をなくしてはならない」と、2020年に再オープン。地元の子どもたちだけでなく、大人の居場所を守っている。

さらに「ぐりーんハウス」内の一部をシェアキッチンに改装。自分がつくったお菓子や料理を売ってみたい人の挑戦の場や、共通の趣味を持つ人のワークショップ会場など、コミュニティの場にもなっている。

除村さん自身の設計事務所も併設。二足のわらじだからこそ、店舗の経営を続けることができるそう(写真撮影/片山貴博)

長年、商業施設の設計を手掛けてきた除村さん。この商店街に出店しようとする方の相談を受け、パン屋さんやクラフトビールのお店などの内装を手掛け、一つずつお店が増えていった。なかには、「ぐりーんハウス」のお客さんだった方から設計の相談を受けて、町田木曽団地名店街にキックボクシングや空手を学ぶことができるジムをオープンしたケースも。

除村さんが店舗設計を手掛けた、団地内の商店街にある「パンの店 ベッコフ」(画像提供/中村晃写真事務所)

「オープン当初の2020年には、空室はけっこうありました。しかし、少しずつお店が増えるにつれ、今回の防災イベント以外にも、夏まつりやハロウィンなど行事が増え、商店街が盛り上がってきた感じがします」と除村さん。

2024年からは近隣の幼稚園・小中学校・大学と合同の文化祭「まちやま祭」も開催されている。

防災イベントの様子。「ぐりーんハウス」の看板は2代目から継承したもの (写真撮影/片山貴博)

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【巨大団地が生き抜くヒント】

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