山の奥に進めば進むほどリラックスとは対極、アドレナリンが出て集中している感覚があった。山道は想像以上に険しい。ちゃんと足元を見て進まないとつまずくし、ケガをする。虫の存在も無視できない。糸でぶらさがった芋虫がいたり、トカゲがいたり……。
登山はウーバーの配達よりも体力を使う
山では15分に1回くらいの頻度で“人間”と遭遇する。シングルの中年男性、大学生らしき男性2人組、ママ友っぽい女性2人組、大型犬を3匹も散歩させている夫婦……。みなさん通り過ぎる際に「こんにちは」と声を掛けてくれる。「山って温かいんだな」と驚きながら、上へ上へと自分のペースで進んでいった。
ウーバー配達員として毎日のように“運動”している私だが、山を登るという行為はウーバーよりも体力を使うようだ。背中のリュックは汗でビチョビチョ。肉体的には楽ではない。だけど精神的には楽しい。スポーツをしている時間に似ているかもしれない。
途中からスマホの電波が届かなくなった点も“デジタルデトックス”になるので、これはこれでアリだと思った。
ちなみに今回私が選んだ登山コースは「芦屋ロックガーデン」と呼ばれている。この地では約400年前、大阪城の石垣の材料(花崗岩)が採掘されていたそうだ。道の途中、鎖を使って岩をよじ登るシーンが2回くらいあった。ここから大阪まで石を運ぶなんて昔の人はガッツがある(今を生きる私たちも負けてられない)。
黙々と登るなかで、次第に私は、自分の人生を回想していた。
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【どうせみんな、死ぬ時はひとりだ】
