東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #花王に迫るESGリスク

〈インタビュー〉オアシスのフィッシャー氏「花王のESGリスクは深刻、独立調査で会社を守る」、株価と業績も問題視

6分で読める 有料会員限定
オアシスは「Protect Kao」を掲げて株主提案を行っている(写真:オアシス・インベストメントのホームページより)

INDEX

日用品最大手の花王と、物言う株主との対立が深まっている。
香港を拠点とするアクティビスト(物言う株主)、オアシス・マネジメント(以下、オアシス)は今年3月、花王のサプライチェーン(供給網)の調査について株主提案を行った。第三者による独立調査者の選任を求めており、4月30日に臨時株主総会が開催される。
オアシスは現在、花王株12.5%を保有する筆頭株主だ。昨年の定時株主総会では、業績停滞を背景に外部取締役5人の推薦や報酬額の改定などを提案したが否決に終わった。
今年は臨時株主総会の招集を求め、花王にさらなる圧力をかけている。「深刻なESGリスクとガバナンスの不全がある」と主張する、オアシスの最高投資責任者(CIO)のセス・フィッシャー氏を直撃した。

〈インタビュー〉花王が反論「指摘された調達先とは関係がない」、オアシスが求めるサプライチェーンは「構造的に困難」

〈先進企業がなぜ?〉花王に迫る"ESGリスク"、物言う株主が臨時株主総会で圧力「原料供給網」とガバナンスめぐり対立

会社側は対話を拒絶

ーーオアシスは臨時株主総会で、サプライチェーンの管理体制や内部統制を担当する弁護士3人を推薦し、調査者として選任するよう求めています。

内部告発者から深刻な情報提供があった。花王は“ESGの先進企業”を標榜しているが、その裏で、他社が人権侵害や環境破壊を理由に取引を停止した高リスクなパーム油サプライヤーから、依然として調達を続けているという指摘だ。

このままでは会社が取り返しのつかないリスクを背負うと判断し、臨時株主総会の請求を決断した。

セス・フィッシャー(Seth H. Fischer)/オアシス・マネジメント設立者兼CIO(最高投資責任者)。投資ファンドのHighbridge Capital Managementでアジアの投資ポートフォリオを7年間運用した後、2002年にオアシス設立。アジアのコーポレートガバナンス改革を提唱(写真:オアシス・ マネジメント)

私たちは長期株主として、花王と対話を試みてきた。しかし、その努力はことごとく無視されてきた。今回の請求を公表後も、予定されていた長谷部佳宏社長との面談がキャンセルされるなど、会社側は対話を拒絶している。

ーーパーム油の調達先が、具体的にどのようなビジネスリスクに直結すると考えていますか。

現在、欧米では森林破壊や強制労働に関わる製品への規制が極めて厳格化している。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象