インベンターズが挑んでいるさまざまなプロジェクトについて話を聞いたが、どの話も筆者自身の中で将来の姿が立体的に感じられた。
特に、トヨタが「新ソフトウェア開発プラットフォーム」としている「アリーン」については、これまで東京・日本橋のオフィス街にあるウーブン・バイ・トヨタ本社や、トヨタ自動車東富士研究所で行われた「テクニカルワークショップ」、アリーンを初採用の量産車「RAV4」の新車発表会、さらにジャパンモビリティショーなどで説明を受けてきたものの、アリーンを活用したモノやコトの社会実装の様子が掴み切れない印象があった。
それが今回、アリーンとの関係が深いAI(人工知能)、データセキュリティ、ロボティクス、物流や生産現場でのデジタルプラットフォームといった領域の実証実験について、ウーブン・シティでどのように展開するのかを各プロジェクト担当者と意見交換する中で、アリーンの“存在意義”がようやく立体感を持って見えてきたのだ。
そのほか、新たに加わった「AIロボット協会」「第一興商」「Joby Aviation」「トヨタファイナンシャルサービス」など、インベンター各社の関係者ともじっくり話すことができたが、その中にはウィーバーとして「フェイズ1」地区で暮らしている人もおり、ウーブン・シティでの出来事を“私事”として話しているのがわかった。まさに、地元民の声である。
次の100年に向けて何をつないでいくのか?
26年は、トヨタの原点である豊田自動織機の創立から100年を数える年だ。
ウーブン・バイ・トヨタの隈部肇CEOは「(自動織機からクルマまで)この100年間つないできたのは、技術や資本だけでなく『誰かのために』という思いだったと、私は思っています」
このように発言したうえで、「では、次の100年に向けて、私たちは何をつないでいくのか」と問いかけた。
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【ウーブン・バイ・トヨタの存在意義】
