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いいの? 悪いの? 金正恩と習近平の関係/伝統と現実の狭間で揺れ動く中朝、引力と反発が存在する関係

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2026年4月、北朝鮮の平壌を訪れ金正恩総書記と会った中国の王毅外相(左)(写真:EPA=時事)
  • 坂井 隆 元公安調査庁調査第二部長、北朝鮮ウォッチャー
  • 箱田 哲也 朝日新聞記者

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2026年4月、中国の王毅外相が北朝鮮を訪問し、金正恩総書記らと対面した。ロシアとの軍事協力が注目されてきた北朝鮮だが、「後ろ盾」の中国との関係はどうなっているのか。往来が活発化する一方、政治的にはまだ盤石ではないとの指摘が出る。北朝鮮の実情に精通する、元公安調査庁調査第二部長などを務めた坂井隆氏に、朝日新聞記者の箱田哲也氏が聞いた。

中国外相・王毅訪朝、強調されない「蜜月」

箱田:王毅外相の訪朝は、2019年9月以来、6年半ぶりです。

坂井:北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が空港に出迎え、出国時も見送りました。金正恩氏は「社会主義を核とする朝中友好関係を最も大事にし、最優先的に重視し、一層強化し発展」させるとの意向を示し、相応の歓迎姿勢を示しました。

また、金正恩氏は、「一つの中国」の原則など、「中国の党と政府のすべての対内外政策を全面的に支持」すると、踏み込んだ発言もしました。

箱田:地域や国際情勢に関してはどんな言及がありましたか。

坂井:それらについてはそれぞれが「立場を披歴」、「見解を表明」しただけで、双方が「合意」や「見解一致」したことは報じられませんでした。

外相会談でも「合意」が示されたのは、「朝中友好協力相互援助条約締結65周年に当たる今年に、多面的な交流と協力を一層深化させ、両国の対外政策機関間の戦略的意思疎通と支持・協力を強化すること」だけです。

また、一連の会見・会談や歓迎宴での演説などを見ても、「共通の利益」や「戦略的利益」の追求などが繰り返されている一方、かつてしばしば用いられた「血潮で結ばれた」とか「革命的連帯」などの表現は影を潜めています。

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【コロナ禍で止まった両国間の往来は?】

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