ーー何があっても諦めなかった強い意志がいまにつながっているのでしょうか。
そう言えればかっこいいんですけど、あまり先のことを考えていなかった(笑)。ただ、31歳くらいでなんとかなったからよかったけど、もし40〜45歳だったら、いろいろ考えていたかもしれませんね。
でも、本音を言うと、心の奥底には、自分が世の中に出ないはずはない、もし世に出れば、多くの人に楽しんでもらえるはず、という思いがほんの少しだけあったと思います。ビッグマウスですけど(笑)。
ーー俳優、脚本家、劇作家として活動されています。この先の「野望」を教えてください。
映画『名無し』では原作、脚本、主演を務めていますが、俳優業とは“別腹”で、物語を書く欲求があるんです。
ハリウッドでは、マット・デイモンとベン・アフレックが脚本を書いて主演する映画がありますが、こういう形が日本にもあっていいんじゃないかと思っていて。
日本でも俳優として芝居をする監督や脚本家はいます。でも、原作や脚本を書いてそれに自ら主演する俳優や、自分に当て書きをする脚本家はあまりいないような気がします。
そういう誰も歩んでいない道を耕して、最初の人になることが、ひとつの願望としてあります。
映画『名無し』で“当たり前”に風穴を開けたい
ーー映画『名無し』は、漫画で読んだときとは異なる、映像の生々しさとドギツさから、息苦しさを覚えるほどの強烈な余韻が残る作品でした。この物語の着想を教えてください。
5年前になりますが、主人公が喫茶店で唐突に人を襲う、最初のシーンを書きたくて、この物語を書き始めました。
脚本の執筆は、こんなストーリー、もしくは、こんなシーンを書きたい、という欲求のどちらから始まってもいいと思っていて。この作品は後者です。冒頭のシーンが先にあって、そこから物語を作っていきました。
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【落ち着くことができない】
