ーー退職して何者でもない自分になってから、俳優を目指す原動力になったものは何ですか。
小さな俳優養成所に2カ所通ったけど芽が出ず、今度こそ諦めようと思って、小さな広告代理店に就職します。それでも27歳くらいのときにやっぱり諦めきれなくて、いまも継続している劇団・ちからわざを立ち上げました。だから、20代は行ったり来たりなんです。
なぜ心が折れなかったかよく聞かれますけど、僕が教えてほしい(笑)。
リクルートの“人事部長からの言葉”が励みに
ーーもし、そうした経験をしないで役者になっていたら、いまの佐藤二朗さんはあったと思いますか。
もし、就職活動も就職もせずに、覚悟を持ってアルバイトをしながら劇団とかで俳優を目指していたら……。どうでしょうね。でも、いまの自分はなかったかもしれないな。
結果としていまがあるから、当時のエピソードをおもしろい話のニュアンスでメディアは取り上げてくれますけど、むちゃくちゃなことを繰り返してきていますからね(笑)。
リクルートの1日退職は、本当に申し訳なかったといまでも思っていますし、僕の人生の汚点です。でも、退職時に人事部長から「リクルートの30年の歴史で、入社と退職が同じ日になるのは君が初めてだ」と言われて、それからの生き方への思いを新たにしたことを覚えています。そういうことがいまにつながっているかもしれません。
ーーそこから俳優として成功されるまでの印象的な出来事はありますか。
それはたくさんありますよ。足を向けて寝られない恩人がけっこうな数いますから、直立不動で寝るしかない、ってネタにしています(笑)。
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【ビッグマウスですけど(笑)】
