「イギリスにおいてボーディングスクールは、単なる教育機関ではなく、“生活を通じて人格を形成する場”として位置づけられています。自立心や責任感、他者との協働といった力は、教室の中だけで教えられるものではありません。
日々の生活の中で自然に身についていくものです。例えば時間の使い方や他者との関わり方、困難に直面したときの対処の仕方などは、寮生活の中で実践的に学びます。こうした経験は、将来どの国でどのようなキャリアを歩むにしても、大きな土台になります。
また、教育と生活の両面を専門家に委ねることは、多忙な保護者にとっても安心感のある選択肢であり、共働き家庭の多い日本にも適しています。全員が寄宿するだけでなく、平日は学校、週末は家庭で過ごす『フレキシブル・ボーディング』という形態も広がっています。そうすることで、平日には子どもは学びと課外活動に、親は仕事に集中し、週末は家族との時間を大切にするというバランスが可能になります」
教育と家庭、それぞれの役割をどう最適化するか。その選択肢の1つとして、ボーディングスクールが注目されるのは、共働きが増えた日本社会の必然かもしれません。
日本の進学校との決定的な違いとは?
では、教育熱心な保護者が本格的に検討する段になって気になるのは、日本のトップ進学校とNLCS神戸は何が異なるのかということ。
最大の違いは、学びの目的とプロセスといえるでしょう。日本の進学校が受験を中心にカリキュラムを組むのに対し、NLCS神戸では探究型学習とIB教育が中心です。知識を「覚える」ことよりも、「問いを立て、考え抜く」ことに重点が置かれるとのこと。
しかし、こうした教育は日本の子どもたちにもなじむのでしょうか。またその学びは進路にどのように生かされるのでしょうか。
「IB教育の特徴は、“大きな問い”に取り組み続けることにあります。生徒たちは単に答えや情報を覚えるのではなく、『なぜそうなるのか』『社会とどうつながっているのか』といった問いを立て、それを探究します。学びは教室にとどまらず、例えば“コミュニティを理解する”というテーマであれば、実際に外に出て地域と関わりながら学びます。
日本とイギリスの教育はどちらも教科の基礎を重視する点が似ていますが、IBはそこに複数の教科を横断して考える「学際的な学び」を加えるものです。私たちは、日本の教育の良さを尊重しながら、IBのアプローチを掛け合わせることで、日本のご家庭にとっても無理のない形でより広い視点を持った学びを提供したいと考えています」
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【教育費は「短期的なリターン」で多寡を測れない】
