――一方、月下はミネルヴァ不動産の雪野(見上愛)とやり合う場面も。
福原 バチバチでしたよね(笑)。チーっす!とイケイケで絡まれて。正反対のキャラクターすぎて新鮮でしたね。
――男臭さで言えば、山﨑努さん演じる石田がいい味を出していました。嘘をつこうとすると風が吹く、その発端にもなった人物が登場します。
山下 あの日は、ほんの一瞬の撮影時間だったんです。努さんの顔をまともに見られないほど天気がよくて。幻だったのかなという記憶ですね(笑)。
というのも、個人的に20年前からお付き合いいただいていて、「俳優って面白いんだよ」と最初に教えていただいた心の師匠です。師匠とスクリーンをシェアできたのは感慨深いですし、光栄です。いつも問いを残してくれる存在で、今回の役柄だけではなく、自分を見守ってくれる偉大な存在です。
山下さんは挿入曲の作詞も担当
――山下さんは今回、挿入曲の『声(feat. JUNGWON of ENHYPEN)』を作詞されています。劇中盛り上がる場面で流れるバラードですが、歌の制作エピソードや想いを教えてください。
山下 詩は友情がテーマなんですけど、もうひとつあって、「わからなくていい」っていう気持ちです。ゴールがないと進んじゃいけない、ってことじゃないんだと思って書きました。いまゴールが見えなくても、わからなくても、歩けばいい。進むことを肯定できたらいいなと思って。そこから想像して、「夕焼けみたいなものが、ただあったかい」という感覚がしっくりきました。
――ゴールがなくても歩いていくというのは、山下さんの人生におけるいまの正直な本心でしょうか。
山下 「風の向くまま、ってときがあってもいいんじゃない、人生には?」と思うことがあって。全部計算通りにはいかないですしね。いまを大切にしながら、自分のペースで行きたいほうへ行けばいいのかなと思っています。気の向くままに。
――最後に、この映画を観る読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
山下 原作のファンの方に敬意を持ちながら、自分が感じた永瀬だったり、月下だったりのキャラクターを“正直に”出しています。自分のフィルターを通して作らせていただきました。かっこいいとか、スタイリッシュとか、そういうメッセージがなくて、どろんこになって真っ直ぐに進む姿を見ていただきたいです。
自分の利益を無視して、他人のためにウリャーって進む強さ、それが人情ですよね。人情が滲み出ている映画だと思います。そのダサさを愛おしく思ってもらえる作品になっているといいなという思いです。おじさんがビールを飲みながら見たら……泣く映画だと思います(笑)。
福原 ぽろっと涙が出ちゃうかもしれません、優しい映画ですから。あれだけ笑える場面があるのに。そして不動産の勉強までできて。盛りだくさんで、あっという間に終わってしまう楽しい映画です。今までのドラマを観ていない方も楽しめると思いますので、是非劇場にお越しください。
――劇場にいい風が吹きますように!!
(取材・文/輔老心 撮影/三輪憲亮)

