こうした理不尽な落とし穴を回避する最大の武器は、実は業務外の雑談で得られる社内情報なのです。新刊『同僚とのつきあい方』を監修した経営コンサルタントの勝木健太氏が、職場という「危険地帯」を賢く生き抜くための情報収集術と、適切な距離感の保ち方を解説します。
虎の尾を踏めば数年単位で影響が及ぶ
職場には避けたほうがいい「地雷」がそこここにあります。あまりいい言葉ではないので言い換えると、「落とし穴」「虎の尾」「余計な火種」などがそのイメージに近いでしょうか。
「営業課の課長のヤマダさん、次の人事で部長になるみたいですね。まだ若いのにすごいなぁ」と上司に話したら、上司はみるみる不機嫌に。ヤマダさんと上司は同期で、犬猿の仲だったとあとで知った。
「シミズさん、今度お子さんが生まれるから育休を取るらしいですね」と男性社員シミズさんの育休の話題を女性の先輩タナカさんにふったら、それ以来、なぜかタナカさんから目の敵にされ始めた。シミズさんとタナカさんの社内不倫は公然の秘密だったらしい。
これらの落とし穴の例は、部下や後輩であるこちらからしたら完全に「そんなことまで知らんがな」という感じで、本人たちの不機嫌によってとばっちりを受けてしまったという印象ですが、会社員生活というのは、こうした理不尽な落とし穴がそこここで待ち構えているものなのです。
こういった落とし穴にはまってしまった、虎の尾を踏んでしまった、余計な火種をまいてしまった場合に、影響がどれぐらい長引くかは相手の性質によるところが少なくありません。
根にもつタイプの場合は数年単位で嫌な態度を取られ続けることも、まったく珍しくありません。
友人と気まずくなった場合と違い、「謝って許してもらう」という方法も取れないのが、また難点です。
「課長がヤマダさんと同期入社でライバルだったなんて知らなかったんです。無神経なことを言って申し訳ありませんでした」
「タナカさんがシミズさんとつきあっていたなんて知りませんでした。シミズさん、ひどい男なんですね。最低です!」
このようなことを言って許してもらおうとするのは、悪手なのでおすすめできません。相手の傷口に塩を塗りたくるような行為です。
「はあ? 俺がそんなことを気にする小さい奴だと言いたいのか?」「あんたに何がわかるわけ? あとシミズさんのこと、知りもしないのに悪く言わないで」などの言葉が返ってきて、事態を悪化させるだけでしょう。
解決してくれるのは時間だけです。「あなたが私を嫌っていても、私は嫌いではないですよ」という雰囲気を漂わせつつ、つかず離れず、相手の気持ちがおさまるのを黙って待つのが得策です。
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【身を守る最大の武器は「情報」】

