INDEX
紙芝居を書いていることは前にも触れた。房総の民話をベースにして、現代風にアレンジしている。すでに3作を完成させ、地元の子供たちに披露した。
で、その制作チームに誠(まこっ)ちゃんという在野の民俗学者がいる。民話オタクで、千葉に伝わる歴史や風習、文化に精通している。
で、オタク特有の精神性を有している。独自の世界にのめり込み、出てこない。私も同類なので、その雰囲気に気付いていた。
ま、制作者に多いタイプっす。
そして彼が「イシイのミートボール」で有名な石井食品の御曹司であることも知っていた。
だからなのか、気ままな生活を送っている。会議もよくサボる。調子が乗らないとダメなのだ。
うむ。会社員はムリっす。
で、紙芝居チームに引き込んだものの、プロジェクトは難航した。
なんせ、誠ちゃんから元ネタが出てこない。結局、1年以上経って、ようやく短い民話が10編ほど出てきた。
いや、これだけでも奇跡に近い。
私はそれを半年かけてシナリオに落とし込み、イラストレーターに渡して作画に取りかかってもらった。
だから、1作目が仕上がるまでに2年半を要した。
で、昨年秋、ようやく読み聞かせが始まった。
そこから、誠ちゃんが覚醒する。
なぜか彼が読むと、不思議な世界が広がる。おそらく、彼が深夜ラジオのマニアであることが影響している。学生時代に録音したテープをすり切れるほど聞いている。
この記事は有料会員限定です
残り 1883文字
