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工事中に落盤事故も「鉄道は最短距離で人々を運ぶもの」と信念貫く…近鉄「奈良の廃トンネル」封鎖60年の意外な現在

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廃線トンネル内で熟成されているワイン
廃線トンネル内で熟成されているワイン(写真:筆者撮影)
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そこで保管容器を瓶に変更し、新聞紙で包んで密封度を上げるなど、熟成スピードを下げるための試行錯誤が繰り返された。

酒税法の壁を越え、ブランド価値を高めた

実証実験が軌道に乗り始めた頃、音川さんは「トンネルで熟成した」という付加価値を消費者に伝えるブランドロゴの制作に取りかかった。ブランド名は「生駒隧道(いこまずいどう)」。「隧道」とはトンネルを意味する古い言葉で、歴史の重みを持たせるため、あえて古い文献に残っていた呼び方を採用したという。

生駒隧道のブランドロゴ。トンネルの入り口がトレースして使われている(写真:株式会社アド近鉄提供)

しかし、このロゴをワインのラベルに記載しようとした時、酒税法の厳格なルールが立ちはだかった。ワインのラベルには、ぶどうが収穫された場所しか記載できない、という問題だ。

ワイン自体は柏原市のワイナリーで製造されているため、ラベルに直接『生駒隧道』と記載すると、消費者に製造地を誤認させる懸念があるとして、税務署から指摘を受けてしまった。

しかし、この法規制に対し、同ワイナリーから思わぬ提案がなされる。

ボトルのラベルには、文字のないトンネル型のマークのみを配置。トンネルで熟成された経緯を説明するリーフレットを同封することで、法的な制約をクリアしつつ、ブランド価値を高めたのだ。

こうして、手探りの状態から始まって3年、2023年12月、第1弾の商品として「感謝をまとうスパークリングワイン」がカタシモワインフードで発売される。同社の直売所と通販ショップに、限定120本が並んだ。

続いて、日本酒「月の旅人」も完成。2024年9月8日、10月8日、11月8日の3回に分けて熟成し販売された。

それぞれ、売れ行きは好調だという。

カタシモワインフード(大阪府柏原市)の「感謝をまとうスパークリングワイン」(写真:株式会社アド近鉄提供)

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【「広告代理店とは何か?」を問い直させたプロジェクト】

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