この横穴は近鉄けいはんな線を建設する際、工事用トラックがトンネル内で旋回するためのスペースとして掘られたものだった。
緊急車両の通行を妨げてはならないという消防法の基準をクリアし、避難経路エリアではない横穴が、熟成庫として最適なスペースだったのだ。
湿度が高過ぎて、日本酒が「ひねる」
実験を始めて数カ月後、ワインやブランデーを貯蔵した結果、「まろやかになり、角が取れる」といった、ポジティブな味の変化が確認された。これを受け、カタシモワインフードは、生駒トンネルで熟成させた新商品の制作に取り組み始めた。
一方で、日本酒の熟成実験では失敗も経験した。最初のテストで缶に入った日本酒をそのままトンネルに置いたところ、ネガティブな変化があったのだ。
「杜氏さんや蔵元が飲んだ時、『ひねた』という表現をされました。ひねたというのは、熟成が進みすぎ、逆に味が劣化してしまった状態のことです」(音川さん)
つまり、高すぎる湿度が裏目に出てしまったのだ。
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【ロゴをめぐる酒税法の壁をどう乗り越えたか】
