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「そんなトンネルあったんですね」グループ社員も知らなかった奈良の"廃トンネル"が、封鎖から60年「解体されなかった」訳

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旧生駒トンネル
全長3388メートルの旧生駒トンネルの内部(写真:筆者撮影)

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高度経済成長期に整備された日本のインフラが、いま更新期を迎えている。老朽化した構造物をどう扱うか――解体か、存続か。その問いに、意外な答えを出しているものがある。大阪と奈良の県境を結ぶ「旧生駒トンネル」だ。大正時代に近畿日本鉄道が建設した全長3388メートルのトンネルは、封鎖から60年を経た今もある「役割」を担い、2023年、新たな任務も得た。

大阪と奈良の県境、住宅地を抜けた山裾に、半円形の重厚な鉄扉がある。1964年に役目を終えた「旧生駒トンネル」の入り口だ。

2重の鉄扉の隙間から奥を覗くと、真っ暗な空間が続く。生駒山から染み出た水だろうか、天井から水が滴っているのが見える。

大阪と奈良の県境にある、旧生駒トンネルの入り口(写真:筆者撮影)
【写真を見る】「そんなトンネルあったんですね」グループ社員も知らなかった奈良の"廃トンネル"が、封鎖から60年「解体されなかった」訳(17枚)

「この廃トンネルのなかで、地元酒造のワインや日本酒を熟成している企業がある」と聞いて、筆者と編集者はそのプロジェクトを担う、株式会社アド近鉄の本社に向かった。

トンネルは「避難経路」になっていた

「旧生駒トンネルは、今も隣接するトンネルの避難経路になっています。僕たちは、その空いているスペースを使わせていただいています」

取材の冒頭、トンネルの再利用プロジェクトを進める同社の元責任者・音川峰行さんはそもそも「廃トンネル」という認識を否定した。

その「空きスペース」を、新たに活かしているのだ。

しかし、なぜトンネルを?

尋ねると音川さんは、100年前の建設からの歴史と、再生について語りだした。

トンネルの再利用プロジェクトを進める同社の元責任者・音川峰行さん(写真:東洋経済オンライン編集部撮影)

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【「最短距離で最も効率良く」約110年前の経営陣の決断】

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