中東での軍事衝突前は、リサイクルバンドの価格はバージンバンドと比べ、1割程度低かった。今回のバージンの大幅な値上げ幅と比べ、リサイクルの値上げ幅は小さいため、価格差は最大3割程度に拡大する見通しだという。
一方、「リサイクルという逃げ場がない塗料やフィルム系の値上がり幅は3割では済まないだろう」と中山氏はみる。
一般的に、環境配慮型の商品は割高の傾向がある。再エネを使ったグリーン水素、高性能なエコハウス、有機食品など、環境負荷を下げるためのコストが上乗せされる。
一方、同社の製品が、環境負荷が低いにもかかわらず、低価格の理由は、廃棄されるプラスチックを再資源化しているため、原料コストが安いためだ。
あえて付加価値がない領域を狙っている
中山氏は自社について、世界的に通用する特許を持つわけではない「ローテク企業」と評する。そのうえで、「付加価値がある製品だったら大手に勝てないため、あえて付加価値がない領域を狙っている。リサイクル素材の価格優位で勝てる、大手が参入しない小規模な市場をターゲットとしている」と説明する。
プラスチック循環利用協会によると、廃プラ911万トンのうち、約20%がマテリアルリサイクル(素材を再利用)、2%がケミカルリサイクル(化学的に分解して再利用)、66%がサーマルリサイクル(燃やしてエネルギーなどに活用)、単純焼却と埋め立てを合わせた未利用が11%となっている(24年)。

このうち中山氏の会社が主に扱うバンドはマテリアルリサイクルに属し、同じ製品に再生する「水平リサイクル」。使用済みペットボトルを再びペットボトルに戻す「水平リサイクル」は代表例であり、サントリーなど飲料メーカーが推進している。
日本ではサーマルリサイクルが多いことについて中山氏は、「出口がない」ことに触れ、資源循環が進んでいないとの見方を示した。国内で循環しないので、輸出もされている。欧州では、燃焼に伴いCO2を多く排出するうえに、循環しないことからサーマルへの評価は低い。
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【なぜゴミを利用するのか】
