普段の生活や仕事を振り返ってみれば、簡単に例が見つかるはずだ。何か新しい事業を始めようとした際に、ほんの少しでもネガティブな要素が見つかると急に保留になり、気づけばプロジェクト自体を中止してしまうといったケースだ。
リスクマネジメントをノーリスクやリスクゼロと捉えてしまうと、物事が先に進まなくなる。新しい体験をするうえで、リスクマネジメントは必要だが、ノーリスクやリスクゼロを実現するのは無理な話だからだ。
リスクはどこにでも存在する
現実の世界にノーリスクやリスクゼロなプロジェクトや体験など存在しない。つまり、どんなことをしていてもリスクは存在する。
それこそ家の外に出れば交通事故に遭うリスクは常に存在しているし、ご飯を食べれば食中毒にあたるリスクもある。何もしないで部屋に閉じこもっていたって運動不足で健康を損なうリスクがあるだろう。
あなたの横にラッパを持った天使がいるのか、鎌を持った死神がいるのかはわからないが、生きている限り常に何らかのリスクと隣り合わせだ。
では、リスクマネジメントとは何なのか?
それを考えるには、リスクについてもう少しだけ深掘りしてみる必要がありそうだ。
そもそもリスクとは何を意味しているのだろうか。
リスクは何かが発生する確率に、発生した際のインパクトを掛け合わせたものだ。つまり、発生する確率が高くても大した影響がなければリスクは小さいし、逆にインパクトが大きくても、確率が非常に低ければリスクは小さいといえる。
例えば、車にひかれたら大惨事だが、交通事故が心配で外に出かけられない人は少ないだろう。それは、実際に交通事故に遭うことが稀だからだ。
逆に、人混みに行けば風邪をうつされる確率は高いが、風邪を引いても人生に大きな影響はないので、家から一歩も外に出ないという人も少ないだろう。
つまり、リスクマネジメントとは、危険が存在するかどうかの白黒の話ではなくて、いろいろな状況を考慮してバランスを取ることだ。リスクをゼロにすることではなく、最悪のケースが発生する確率を下げたり、ネガティブなことが起きた際の影響を最小化したりすることを目指すのだ。
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