さて、今回の体験のため、動きやすいジャージに着替える。うっかりしていてコンタクトを切らしてしまい、メガネのまま臨んだのだが、結果的に外しての体験となった。さすがによく見えないとちょっと不安なので、これから体験に行く普段メガネをかけている人は、コンタクトの使用をおすすめしたい。
本題のバク転を教えてもらう前に、まずは柔軟体操からはじめる。それもそうだ、筆者のような10年以上ろくに運動していない人間がいきなりバク転に挑んだら大ケガする未来しかないだろう。体験の順番に納得しながら、無理のない範囲で前屈やストレッチをおこない、日常生活で一切動かすことのない筋肉を伸ばしていく。基本的に座りっぱなしで仕事をしている身体を、普段ならありえない方向に曲げていく。ミシミシと聞いたことのない音が鳴るのを感じていた。
この時点での感情は「恐怖」が一番大きかった。自信がないのだ。なんといっても、12年ほぼ運動していない。思い立って一瞬フィットネスゲームで体力づくりをしていた時期もあるが、少なくともこの3カ月ろくに運動した記憶がない。
「私みたいな出不精の大人でもできますかね?」
「スタート時点ではかなり個人差が大きいので、動いてみてから考えていきましょう」
そんな励ましを受けながら、伸ばしたことのない筋肉を丁寧に伸ばした。
恐怖から「楽しい」へ、12年ぶりの前転・後転
準備運動を終えると、長いマットを利用したジャンプ運動に移る。前に進みながらジャンプをし、マットを往復することで、まずは空気が入ってトランポリンのように飛べるマットで跳ねる感覚を知ることからはじめるのだ。普通の地面でジャンプすると「太ったな……」と実感するばかりだったが、教室のマットは空気が底上げしてくれ、いつもより高く飛べるうれしさがあった。
続いて、後ろ向きにジャンプしてマットを往復する。考えてもみてほしい、人生で後ろ向きにジャンプする場面はほとんどない。「人生ですることのない動きだ!」と思うと、とたんに楽しさやワクワク感が湧き上がってきた。
さて、マットの感覚を覚えたところで、「前転・後転」に入る。実は、店舗を訪れる前にバク転教室のホームページで「バク転習得セルフ診断」をしていた。バク転ができるかどうかの診断項目に「前転して自力で立ち上がる」とあったのだ。その時は「できる」を選択したのだが、実際にマットを前にするととんでもない不安に襲われた。それもそのはずで、今この場で「前転をしてください」と言われ、すんなり前転できる人の方が少ないのではないだろうか。
そんな前転のコツは、以下の3つだ。
但野さんのお手本を見ながらぐるんと回ってみる。できた。12年ぶりにもかかわらず、ちゃんと前転できたのだ。あれから10kg以上太っているはずだが、前転は体重が増えてもできるらしい。何度か繰り返すと、回ってそのまま立ち上がる感覚も思い出せた。
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【バク転の基礎練習のなかでもっとも重要なのは「倒立」】
