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初回5000円~、人通りまばらな「廃墟ビル」近くの"バク転教室"がなぜ黒字? 木更津で見つけたニッチビジネスの「勝ち筋」

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バク転だけでなく、アクロバット全般を教えている教室。いったいどんな人が通っているのだろうか。(写真:筆者撮影)
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「また、バク転パーソナルの講師陣は、基本的に1レッスンあたりの費用を支払う業務委託契約で働いています。たとえ講師がシフトを入れていても、レッスンが無ければスタジオに来る必要は無いため、余計な人件費も発生しません」

こうして見ると給与面で講師が働きづらいのではないかと感じるかもしれないのだが、実は講師側にもメリットがあるという。

「バク転パーソナル教室で働く講師の多くは、現役のダンサーやチア競技の選手なんです。テーマパークで数カ月間ダンサーとしてショーに出演する、大会に参加するため来月は遠征したいなど、自身の予定に合わせてシフトを調整しています」

なるほど、現役でダンスや競技をしているからこそ、人に教えられるほどの技術を持っているのだろう。アクロバットを教えることに特化した研修体制も整っており、安全第一のレッスンをしているそうだ。

「講師が通える街」に出店する拡大戦略

こうして話を聞いてもかなりニッチな事業に思えるのだが、実はフランチャイズ全体として拡大傾向にあるという。

「木更津店だけでも予約が取りづらいという声があったほど、ニーズがあったんです。そこで、SNSで講師を募集し、新しく参加してくれた講師たちが通いやすいエリアに新店舗を出そうと考えました。船橋と千葉にも店舗を出店したところ、より多くのお客様にご利用いただけるようになっています」

木更津のみならず、千葉県でも人口の多い千葉・船橋に出店したからこそ、少なくないニーズを拾い上げられたのだろう。

「バク転パーソナル教室の利用者には、体操自体を習える教室はあっても、複数人でレッスンを受けるためなかなか上達しないという悩みがあるようです。さらには、体操は教えられても、バク転をはじめとしたアクロバットの専門ではないので上手に教えられないという体操教室もあると。

だからこそ、アクロバットに特化した教室のニーズは一定あり続けるし、講師の確保という面から競合も入ってきづらいため、経営を続けられています」

道路から見えるバク転パーソナル教室の看板(写真:筆者撮影)

一見するとどうやって経営が成り立っているのか不思議な事業だが、ブルーオーシャンを的確に狙い、なるべく固定費をかけないことでビジネスとして成り立っていることが分かった。これから、さまざまな街で、「バク転パーソナル教室」の看板を目にする機会が増えるのかもしれない。

後編では、30歳の運動不足ライターである筆者が、実際にバク転教室を体験してきた感想を紹介する。

後編:「50分体験だけでバク転成功できる?」30歳運動不足ライターが"バク転パーソナル教室"に飛び込んだ末路と得たもの

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