週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

不登校の子どもと親を追い詰める「出席」偏重社会の歪み、「出席扱い」をありがたがるムードが不登校ビジネスを生む

7分で読める
不登校の児童・生徒が増える中、はびこる"出席至上主義"に追い詰められる親子もいます(写真:zon / PIXTA)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

中学生が高校受験に影響することを怖れるのは当然ですが、本来は、学校に行けないだけの生徒が不利にならないように高校入試のしくみを変えればいい話ですし、現状でも、上位進学校を目指すというのでなければ、不登校経験者でも進路は見つかります。

いまでは高校進学者のおよそ10人に1人は通信制高校を選択しています。多くは私立なので、費用の面で負担は大きいのですが、それも本年度から始まった私立高校無償化政策(実際には授業料のみの免除)によってだいぶ軽減されるのではないでしょうか。

公立の高校にも、たとえば東京都のチャレンジスクールや大阪府のエンパワメントスクールなど、不登校経験者でも通いやすいように配慮された学校はあります。一般的な高校でも、内申点を問わないなど、不登校状態の子どもに配慮した入試を行うケースは、まだ少数ではありますが、見られるようになってきました。もちろん高校のようなところには通わず、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)をとって大学に進学することも可能です。

チャレンジスクールなどの紹介リーフレット(画像:東京都教育委員会のHPより)

「不登校ビジネス」の暗躍を水際で食い止める“番人”

出席至上主義の社会は、「不登校ビジネス」に足をすくわれるおそれがあります。「出席認定」の実績があるオンライン教材を導入しただけで、専門的知識のない塾業者やIT業者がその日から「フリースクール」の看板を掲げることも可能だからです。

東京都が月2万円の「フリースクール等利用者等支援事業」を設けるなど、いま、各自治体は、フリースクールなどに通う家庭への経済的援助に予算をつけるようになっています。公的な予算がつくと、それを狙う業者が生まれるのはどこの業界も同じです。

オンライン教材を塾が導入すれば、人手を増やさなくても平日昼間の空き教室を利用して「フリースクール」の看板を掲げることができてしまいます。実際にそういうビジネスモデルを訴える広告が塾業者向けの媒体にあふれています。

塾のようなリアル教室がなくても、ネット上に仮想校舎を構築すれば、オンラインフリースクールのできあがりです。実際いま、雨後の竹の子のようにできています。そこに“来て”オンライン教材をやれば「出席扱いにしてもらえる」ということが、ネット上で盛んに訴求されています。

次ページが続きます:
【子どもたちからのレジスタンス】

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象