そこに加わるのが「三叉神経・自律神経反射」です。三叉神経の興奮が脳幹を通じて自律神経(副交感神経)に伝わることで、反射的に痛みと同じ側に涙や鼻水が出ます。
最新の研究では、CGRPだけでなくPACAP-38(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド)という物質の関与も注目されています。
これは視床下部や自律神経系に多く存在する物質で、発作時に血液中で増加することがわかっています。これらの化学物質が複雑に絡み合うことで、あの激痛が作り出されていると考えられます。
群発頭痛の最も不思議な特徴
群発頭痛の最も不思議な特徴は、“正確すぎるスケジュール”にあります。
具体的には、毎日、決まった時間(深夜など)に発作が起こるサーカディアン・リズム(日内変動)や、1年のうちの特定の時期、特に春分や秋分の時期に1〜2カ月ほど毎日発作が続くサーカニュアル・リズム(年次変動)が知られています。
この精密なスケジュールを管理しているのが、脳の奥深くにある視床下部です。
視床下部には視交叉上核という体内時計の司令塔があり、光の刺激(日照時間)を感知して、私たちの生活リズムを整えています。そして、群発頭痛の患者では、この視床下部が発作中に活性化していることが画像検査などで確認されています。
日照時間の変化が引き金となり、体内時計の司令塔が一時的にパニックを起こすことで、激痛のサイクルが始まると考えられているのです。
そのほか、群発頭痛の症状は以下の5つのような特徴があります。
②1回の持続時間は15〜180分
③痛みのあまり、じっとしていられない。部屋を歩き回る、頭を抱えて揺れるといった行動をとることが多い
④激痛とともに、顔の片側に「目の充血」「ボロボロと涙が出る」「鼻詰まり」「鼻水」「まぶたの腫れ」が現れる
⑤重症の発作では、痛みのある側の瞳孔が小さくなったり(縮瞳)、まぶたが垂れ下がったり(眼瞼下垂)することがある。これを「ホルネル症候群」といって自律神経系の麻痺によるもので、専門医はここを必ずチェックする
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【群発頭痛の最新治療】
