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なんとコンビニの約3倍! 卑弥呼の死後《16万基もの古墳》を日本列島に生み出した「王の使命」と「庶民の誇り」

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人々に無理やり苦役を課して構築したわけではないという(写真:at/PIXTA)
  • 若狭 徹 明治大学文学部専任教授、群馬県立歴史博物館特別館長
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王になれるかどうかは当然、実力主義ですから、王たる人物は力もあり、人心を惹きつけ、人々を牽引していく才能が必要なはずで、人々に支持されて初めて王位につけるのです。

選ばれた王は自分が治める地域の人々に富や豊かな暮らしをもたらすという使命があります。一方、庶民たちは自分たちの暮らしを守ってくれる"我が王"のための墓(古墳)を、皆で力を合わせて造り上げることに誇りを持っていたはずです。

なぜ16万基もの古墳が築造されたのか

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古墳は王の生前から造られた寿陵と考えられ、築造期間は長期間に及んだでしょうから、彼らの負担にならないよう、おそらく農閑期となる冬場に地域の各集落から人々が集まって、築造に着手したのだと考えられます。

この労働の見返りに王は自分の蔵に保管している米や農作物を分配したのではないでしょうか。

古墳の築造には公共的な性格があったからこそ、何世紀もの間、巨大な人工物を造り続けることができたのだと思います。

また群集墳という小型古墳が1カ所に集中して営まれるものが5世紀後半から登場します。ほとんどが円墳なのですが、この時期以降、各地の有力農民層も古墳を造るようになりました。

古墳時代の後半になるほど、墳丘のサイズは小さくなるものの古墳の数は爆発的に増えていき、結果、コンビニエンスストアよりも多い、約16万基もの古墳が列島全体に造られ続けることになったのです。

(取材・文/郡 麻江)

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