アップル流に学ぶのであれば、今、日本企業が考えるべきは次の3つだろう。
・自社の環境目標を「ビジネス目標」として語れるか
・自社の製品・素材・プロセスに根ざした独自の測定軸を持っているか
・環境へのとりくみをオペレーションと一体化できているか
環境意識をリフレーミングして会社と地球の未来を守る
アップルの2026年環境進捗報告書は、ある意味で一つの手本だ。内容は妥協していない。数字は過去最高だ。しかしその言語は、2030年に向けた野心的な約束を、政治的分断を超えて届けるために最適化されている。
「地球を守る」という言葉を使わずに、地球を守る行動を続ける。それがアップルの選んだ道だ。価値観が二分された世界で、環境への取り組みを守り続けるために必要なのは、むしろ「守る」という言葉を手放す勇気かもしれない。それを代わりに「効率」「節約」「技術革新」「リスク管理」と呼ぶことで、敵を作らず、前進し続けられる。
アップルからリサ・ジャクソンという「旗手」が去り、環境への取り組みの勢いが削がれたように見えた部分はあるかもしれない。しかし実態は逆だ。環境責任は1人のイデオローグが体現するものから、組織全体に内製化された経営合理性へと変質し浸透したのだ。
このアップルの姿勢が状況変化で先行きが見えずにいた日本の環境・ESG担当者に何かのインスピレーションになればと思う。
