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「なぜ落選者を救済する?」「いいご身分すぎる」と批判殺到…中道「落選者に毎月40万円支援」の凄まじい愚劣ぶり

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中道改革連合の小川淳也代表(左)と階猛幹事長(写真:時事)
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しかも、人々は現在、自分たちの経済的な生き残りに最も関心が注がれる「自己防衛モード」に突入している。これが政治家に「真の国民の奉仕者」であることを期待するポピュリズムの先鋭化に拍車を掛けているのである。

現代の有権者にとって、グローバル化、急激なデジタル化、不透明な国際情勢は、自分たちの生活基盤を脅かす「市場の暴走」そのものといえる。例えば、イラン戦争に伴う原油の供給不足と価格高騰は、国民生活に多大な負担をもたらしつつある。

かつて経済学者のカール・ポランニーは、市場経済が社会から切り離され、人間や自然を単なる商品として扱い始めたとき、社会はそれによる破壊から自らを守ろうとする反作用、「社会の自己防衛」を起こすと説いた(『[新訳]大転換 市場社会の形成と崩壊』野口建彦・栖原学訳、東洋経済新報社)。

「社会の自己防衛」は生存のために誰でも採用する手段

ポランニーの洞察の核心は、この「社会の自己防衛」が特定の思想を問わず、保守もリベラルも、生存のために否応なしに採用する手段であると指摘した点にある。

典型的な防衛策には、労働時間規制や社会保障制度、関税(農産物保護)、公衆衛生法、土地利用の規制、中央銀行による通貨供給の管理などが挙げられている。

この洞察は、現代における減税や給付ニーズの拡大理由を上手く説明している。まさに市場の論理によって極限まで摩耗した社会を、自分たちの手で救い出そうとする「自己防衛」の一種であると解釈できるからだ。

国民が生活不安の中で「社会の自己防衛」を必死に行っている最中に、政治的エリート層が「自分たちのキャリアを保護するセーフティネット」を構築しようとする姿は、ポランニー的に言えば、社会の苦痛を放置して自分たちのポジションを特権化する行為と認識されうる。

国民から見れば、「政治家という特殊技能集団(ギルド)を市場原理(落選)から守るための相互扶助」に過ぎず、「社会の防壁を作るべき人間が、自分たちの避難所だけを作っている」という利己主義的な振る舞いと思われてもおかしくはない。

高市政権やチームみらいに支持が集まったのは、ポランニー的に捉えると、両者が「社会を守るための装置(防壁)」として機能することへの期待の表れである。

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【「自分たちの権益の維持」という内向きのメッセージを発してしまった中道】

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