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ビジネス #スズキ 異次元のインド投資

きれい事だけではないスズキのインド生存戦略、牛ふんで走る車からファンドまで…農村を底上げし「次の10億人」を囲い込み

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スズキの鈴木俊宏社長
ジャパンモビリティショーで牛ふん由来のバイオガス燃料について語る鈴木俊宏社長(撮影:尾形文繁)
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CNG車も走行中に二酸化炭素(CO2)を排出するが、植物が光合成で吸収し、牛がその植物を餌として食べて排泄(はいせつ)することで、CO2が循環するサイクルとなる。牛ふんはそのまま放置するとCO2の28倍の温室効果があるメタンガスを排出してしまう。回収し燃料にすることで、実質的に大気中の炭素を減らすことができる。

牛ふんを提供する農家には、1kg当たり1ルピー(約1.7円)が支払われる。1頭の牛が1日に出すふん尿の量は約15kg。同地域では1農家平均で13頭を飼育しており、年間で7.2万ルピー(約12万円)ほどの収入になる。インドの世帯の半分以上が50万ルピー(約85万円)以下の年収で暮らしていることを考えれば、かなりの額の収入といえる。

ただ、いいことずくめではない。最大の課題はコストだ。

スズキはブカラ工場も含めてバナスカンタ地域で4カ所のプラントの設置を進めており、計40億円を投じる。ふん尿の回収費や運営コストも考えると、ガス燃料の販売だけでは赤字でビジネスとしては成立しない。今後はガス生産で余った残渣(ざんさ)を有機肥料として販売し収入拡大を目指すが、事業の持続化はまだ手探りの段階だ。

シェア7割のCNG車を拡販

それでもスズキが投資のアクセルを踏むのには理由がある。

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