前出の熊谷名誉教授は、算数障害のある子どもの将来を悲観する保護者も多く見てきた。しかし、一番苦しいのは子ども本人だと断言する。
「やらなければいけない教科なのに全然わからないまま、教室で9年間の義務教育を受けなければいけない子どもたちがいると思うと、私はとても切なくなります。
支援は早ければ早いほどいい。通級指導教室もみんなに『行ってらっしゃい』と言われて通える小学校低学年からが望ましいです。小学生のときに通級に通い、親や担任の先生以外の大人と直接話しながら助けてもらえるという安心感は、子どもの成長のいい糧になります」(熊谷名誉教授)
また、「中学生になると『通級は恥ずかしいから』と拒否する生徒もいる」と、前出の女性教諭は打ち明ける。
「当たり前だが何も改善されず、通常教室でテストは0点のオンパレード。3年生になって、ようやく受験のためにと通級に駆け込んできます。中3で小学3年までさかのぼってやり直すことになるので精神的にもつらいだろうし、受験までの指導の時間も全然足りない」と語る。
通級は学校側から提案されるケースもあるが、支援を受けるためには学校との話し合いが必要になる。子どもに不安を感じたら保護者の側から担任に積極的に相談してみてほしいと熊谷名誉教授はいう。
「算数障害」でも大学進学を叶えた
ここまで読んで、子どもが算数障害だったら受験も就職も難しいのではないか? そんな不安がよぎった保護者の皆さんに、熊谷名誉教授が大学受験のサポートをした高校生の事例を紹介したい。
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【大学受験で、通常の1.3倍の時間延長を認めてもらった】
