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《善意が招いた2年の地獄》売上3分の2を捨てた…それでも星野リゾートが"5人の会社"に全館コーディネートを任せた訳

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大高旭さん
遠州綿紬をよみがえらせた大高旭さん。祖父たちが諦めた布が、逆に新しく見えたという(写真:筆者撮影)
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つまり、この古い織機が壊れたら、遠州綿紬は終わり。技術が進化し、人々が生産性や効率を求めた結果、「誰も直せない機械」だけが残されるのだ。

ガチャン、ガチャンと機を織る古い織機。以前は足踏み式だったが、現在はモーターを後付けして動かしている(写真:筆者撮影)

古くて「新しい」情景を未来へつなぐ

「近年、職人の高齢化に伴い、工房を畳む機屋が後を絶ちません。うちでは現在、工房を畳む機屋の織機を買い取っています。今年の夏には、約50台を収容した大規模な工場が新たに立つ予定です」

他方、職人の世界に興味を持つ若者も増えているという。工場には、若い職人も増える予定だ。皮肉なことに、人々が効率化を求めれば求めるほど、手触りのあるものへの渇望は深まっていくのかもしれない。カセットテープが再注目されているように。

目の前を左右に走るシャトル、ガチャンと落ちる筬。埃をかぶり、歯車剥き出しで動く織機の、なんと美しいことか。令和の現代では決して見ることができない時代の重みとノスタルジー。旭さんがこの情景を見て、「新しい」と感じた理由がわかる気がした。

今夏には、50台の織機をずらりと並べた工場ができる。

「ガチャンと1回機を織りゃ、1万、2万と手に入る」――。

この夏、「ガチャマン景気」のころに聞こえた音が、浜松に戻ってくるかもしれない。

50年以上前の織機がずらりと並ぶ小野江織物の工房。中にはトヨタの創業者、豊田佐吉が発明した織機も(写真:筆者撮影)
前編:《祖父あきらめ父は破産》それでも孫は"消滅寸前の布"を拾った「飯は食えない」言われた遠州綿紬が1.3億円売れるまで

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