資源管理が機能すると、使用する燃料が減る理由はほかにもあります。それは、資源が持続的になると、遠くまで魚を探しにいかなくても近くで獲りやすくなるので、使用燃料が減るからです。また、魚がたくさん獲れれば操業時間も短くなり、短い時間で漁を終えて帰港することができます。
かつて日本の沿岸で魚が獲れなくなり、「沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へ」というスローガンを水産庁が出していたことがあります。1977年に200海里漁業専管水域が設定されました。日本は世界で第6位の広大なEEZ(排他的経済水域)を誇ります。本来は、資源管理を進めて、輸入に頼らなくても日本のEEZ内で十分な魚が獲れるような体制にすべきなのです。
世界の漁業では日本と違うことが起きている
漁業を成長産業にしている北欧やオセアニアの国々と、日本の漁業は、成長と衰退という点でまったく異なる構造になってしまっています。今後、燃料費の高騰が続いても、このままでは新しい漁船への更新もままなりません。
ノルウェーなどの漁業を紹介する文書で、そのまま英語にしてどこの国のことかと問えば、自国のことと分からない内容になっていることが、残念ながら少なくありません。また根拠がない正しくない内容では、魚の獲りすぎが進んでしまってさらに獲れなくなるという副作用も出てしまいます。しかし時計の針は元には戻りません。そしてこのままでは、後になって「これまでの魚が消えていく理由は何だったのか!」と必ずなってしまいます。
「間違った前提に対する正しい答え」。前提が間違っていると、そこから出てくる正しい答えには害しかありません。その結果と現実は、日本と世界を比較すると、はっきりします。筆者には全国から漁業関係者や水産資源に関心がある方々から、応援のメッセージが届いています。これからも微力ながら、前提を正しくできるような内容の発信を続けてまいります。誤った情報と対策で魚の資源がさらに減って獲れなくなるという負の連鎖を断ち切っていかねばなりません。
