「豪華キャストが集結」「ドラマの良さを踏襲」… 山下智久主演《正直不動産》、ドラマからの映画化で課された"絶対条件"

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また、映画版でパワーアップした点については、シリーズ初となるアメリカロケが挙げられる。冒頭で描かれる海外不動産詐欺のエピソードはシーズン1の制作時点から温められてきたもので、海外でも活躍する山下の存在があったからこそ実現したものだった。「各国の法律は違えど、不動産に関する苦労は万国共通」と語る山本敏彦プロデューサー。映画版ならではの遊び心あふれるシーンとなった。

正直不動産
映画冒頭に登場するシーンはアメリカロケ。海外作品にも出演する山下は、劇中で英語のセリフも披露している(写真:映画『正直不動産』 ©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館 ©2026 映画『正直不動産』製作委員会)

「正直不動産」といえば、うそをつこうとした永瀬の顔にフワッと風が吹き付けられ、言いたくもない本音を“ぶっちゃけてしまう”シーンが、視聴者をスカッとさせる見せ場となっている。

ドラマシリーズの時も、その風の吹かせ方に細やかな違いを見せるなど並々ならぬこだわりを見せた本シリーズだが、映画版ではその風もスケールアップ、その威力は竜巻レベルとなって永瀬に迫りくる。

「せっかく劇場でやるなら、風と音が劇場で体験できるような、最大級の風と最大級の音の仕上げを全力でやらせていただいた」と川村監督が自負する通り、映画ならではの“風”にも注目だ。

余談であるが、この“風”を実際に体感したいという声に応えて今回は、MD4X方式を導入する一部劇場で、4D上映も行われる。ちなみにMD4Xとは、映画のシーンに連動して座席が動いたり、風や水、香りなどの特殊効果で五感を刺激するアトラクション型のシアターシステムのこと。アクション映画ではない本作のようなコメディー作品でMD4X上映が行われるというのも、本作が多くの人に愛されている証左だろう。

根っこの部分は変わらない

福原遥
「ライアー永瀬」時代に、永瀬の口車に乗せられて定期借家契約をしてしまったミュージシャンの山下ヒロトは、実は月下の幼なじみだった。契約期限が近づき、アパートを追い出されようとしていたヒロトの力になれないかと奮闘する月下だったが…(写真:映画『正直不動産』 ©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館 ©2026 映画『正直不動産』製作委員会)

「正直不動産」の原案者である夏原武氏は、過去のインタビューで「不動産業界はブラックボックス。だからこそ、あえて不利なことを言ってくれる営業マンが信頼できる」というようなことを語っている。

その意味で永瀬はまさに「言わなくてもいいデメリット」までぶっちゃける、信頼すべき営業マンだ。その根底にあるのは、「家を通して人々の人生に関わり、笑顔を守りたい」という思い。そこが単なるお仕事ドラマの枠を超え、本作が人情ドラマとしても愛される理由なのだろう。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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