「ソニー・ホンダモビリティの事業方針の見直しについて」
そんなタイトルのプレスリリースが開示されたのは今年3月25日、18時のことだ。ソニーグループとホンダが、合弁会社ソニー・ホンダモビリティ(SHM)で進めていたEV(電気自動車)「AFEELA(アフィーラ)」シリーズについて、第1弾モデルと第2弾モデルの開発と発売を中止。現在の提携関係に基づくEVの発売を実質的に断念した。
2022年3月、ソニーとホンダがEVを共同開発すると発表した際には、両社トップが登壇して記者会見を開いた。開発開始以降はアメリカで開催される世界最大規模の展示会「CES」などで成果や進捗をアピールしてきた。だが、今回はそっけないプレスリリースが1枚のみというあっけない幕切れとなった。
ホンダの方針転換が飛び火
ただし、この結末はある程度予想されたことでもあった。
およそ2週間前となる3月12日、ホンダがEV戦略の大幅見直しを公表。ホンダは次世代EVの象徴となるはずだった「ホンダ 0(ゼロ)」シリーズなど3車種の開発と販売を中止した。アフィーラはホンダゼロシリーズと一部の部品などを共有し、オハイオ州にあるホンダの工場で製造される予定だった。ホンダがEV戦線を大幅縮小する以上、アフィーラの存続が難しくなるのは自明だった。
一方で、少なくともソニーとしては、直前までアフィーラを断念するつもりはなかった。昨年1月には第1弾モデル「アフィーラ 1」の車両価格、26年半ばの納入開始を公表し、先行予約も受け付けていた。今年に入ってからはアフィーラ1の納車こそ延期したものの、量産車両の試作も行い、28年以降に第2弾モデルを投入する計画も発表。さらに開発・販売中止を発表する直前、3月21日には米カリフォルニア州で納車拠点をオープンしていた。
あるソニーグループ関係者は「ホンダの発表後に急きょ両社で検討して決定した。こうした事態となったことは当社として非常に遺憾。今後、補償なども含めたやり取りをホンダと進めていくことになるだろう」と話す。
