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企業はホワイト化しているのに「仕事は嫌い」「早くリタイアしたい」平成生まれの本音

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つまらなそうな若いビジネスマン
最近のFIRE願望の高まりは、それほど過酷な労働環境に置かれていない人にまで広がっているといいます(写真:eizan / PIXTA)
  • 河田 皓史 みずほ総合研究所調査部 チーフグローバルエコノミスト
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ただいずれにしても、「緩やかなFIRE願望を持つ」ところまでは、若年層においては一般的な状況になっているようである。

日本の労働環境は改善している

こうしたFIRE願望の高まりの背景には何があるのだろうか。「会社・仕事を辞めたい」と思う理由として真っ先に考えられるのは、労働環境が劣悪で仕事のストレスがあまりにも大きいということである。

確かに、そういう人も一定程度存在しているだろう。しかし、「ここにきてFIRE願望が高まってきた」ことの理由としては必ずしも説得的ではないように思う。つまり、各種の公的データを見る限りでは、日本企業の労働環境は昔に比べればかなり改善しているのである(逆に言えば、それだけ昔がひどかったということだが)。

日本の労働者全体の平均的な月間労働時間をみると、半世紀以上前の1970年には190時間弱だったのが、2024年には140時間強となっており、40時間以上減少している(下図)。

月間労働時間の推移。厚生労働省「毎月勤労統計調査」をもとに作成。※30人以上の事業所

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ただし、ここには労働者の構成比変化の影響も含まれていることには注意が必要である。つまり、働き方の多様化ならびに女性の労働参加率上昇に伴い、労働時間の短いパートタイム労働者が増加してきたことにより、平均労働時間が押し下げられている面が大きい。

この影響を除くためフルタイム労働者に限って労働時間をみると、1990年代前半と比べて5〜6時間ほど減少している。パートタイム労働者の増加による構成比効果を含む場合と比べると減少幅はかなり小さくなるが、それでもある程度は減少している。

内訳をみると、所定外労働時間(残業時間)は減少しておらず、むしろ小幅に増加しているが、所定内労働時間(残業時間以外の労働時間)が10時間弱減少している。フルタイム労働者の所定内労働時間が減少するのは一見不思議だが、これは休暇日数の増加に対応していると考えられる。

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【驚くほど改善している労働環境】

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