大日本帝国時代への愛着
「国」に対する愛着は、とくに日本に限ったことでも、右派に限ったことでもありません。日本の右派の特徴は、愛着の対象が明治から敗戦にかけての大日本帝国時代を中心としていることです。
関連するトピックは多岐にわたります。右派はこの時代の精神的基盤であった教育勅語を重視します。愛国心の醸成に執心する傾向があり、第一次安倍晋三政権における教育基本法改正はその一つの達成といえます。その後、義務教育段階のすべての教科において、「愛国」の要素を入れることが求められるようになりました*1。
大日本帝国時代をめぐる歴史認識は、戦後日本社会において繰り返し問題となってきました*2。A級戦犯を含めた戦没者を祀る靖国神社に対して、首相や閣僚らが参拝するなどの重要な意味づけを与えることが、国内外で反発を招きました(靖国問題)。過去の戦争に関して、日本の立場を少しでも正当化すべく歴史の定説に異議を唱えたり、否定したりするような言説が問題となりました(歴史修正主義)。歴史認識をめぐっては教科書の記述についてもたびたび議論が巻き起こっています(教科書問題)。最近にいたるまで、韓国とのあいだで軋轢を生んでいる慰安婦問題や徴用工の問題もあります(戦後補償問題)。これらの問題はすべて、過去の日本を少しでも正当化しようとする試みから生じているものです。
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【右派はいまも、過去の戦争を戦っている】
