チャレンジ精神を持って「大洗シーサイドステーション」の立て直しを行ってきた同社の中軸である常盤氏は、神奈川県からの移住者である。大洗町出身で商工会青年部のメンバーだった田山氏が、同じく青年部メンバーの常盤氏に声をかけ、もう1名を合わせて3名で創業した。田山氏は、「地元出身でないからこその視点やリーダーシップがあり、良くも悪くもしがらみがない常盤を中心にした」と話す。常盤氏は創業当時をこう振り返る。
「田山から『よそ者から見て大洗町はどう?』ときかれました。移住してみて思ったのは、米も魚も肉も美味しい。野菜なんて買わずに持ってきてもらうくらい。ものすごく資源が豊富な場所だと感じました。ただ当時はネットもそれほど普及していなかったため、神奈川に住んでいるとそういった恵まれた情報は入って来ませんでした。
そこで3人で地域をブラッシュアップして、何かできることを探していくことにしました。考えを巡らせるなかで、物産直売所いわゆる道の駅のような存在の店をつくる計画が持ち上がりました」
震災とガルパンがチャレンジできる土壌を築いた
同社は09年、「大洗リゾートアウトレット」内に物産直売所の大洗まいわい市場をオープン。以降、幅広く地域活性化に取り組んできた。
たとえば「大洗リゾートアウトレット」にて、町内では大洗駅のみでしか取り扱いのなかったレンタサイクル事業を開始。やがて町全体に波及し、観光協会を中心とした相互乗り入れの仕組みが整うまでに発展していった(現在、相互乗り入れは取りやめ中)。
同社による地域活性化の最たる例が、アニメ・ガールズ&パンツァーの取り組みである。震災後、大洗町がガルパンの舞台に選ばれたのだ。同社は大洗ガルパンギャラリーを出店したり、町の商店街の人がライセンスを使える体制を整えたりと、ガルパンによる地域活性化に尽力してきた。それまで地域のプラットフォームを築いてきたからこそ、そこにガルパンを乗せることができた。
移住者である常盤氏は、「大洗町には出る杭を打つ先輩が本当に少ないので、ここまでチャレンジしてやってこられました」という。
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【テナントとガルパンファンの支えも力に】
