また、米司法省が起訴した北朝鮮のIT労働者とその協力者への起訴状によれば、彼らは2018年から2024年の間に少なくとも64社のアメリカ企業に潜入し、確認できた10社からだけでも86万ドル以上の収入を得たという。
先ほどの国連の数字を信じるのであれば、アメリカで発覚した事例は氷山の一角と言えるだろう。
北朝鮮のIT労働者は、中国やロシア、東南アジア等を拠点に、現地の協力者や仲介者を介して活動している。 標的となるのはソフトウェアやアプリ、ウェブ開発を行うIT関連企業で、スタートアップから中小企業、また大手にも侵入事例がある。
こうした傾向は、近年さらに高まっているという。米セキュリティ企業のクラウドストライク社がまとめた2025年のレポートによれば、過去12カ月で320社超の企業が北朝鮮の労働者の侵入を許し、その数は前年比220%になっている。
その他オンライン面接だけであれば、世界5000社以上で事例が確認されたという報告もある。
セキュリティ企業でも見抜けず採用してしまった
では北朝鮮の目的は何か。それは第一に「外貨獲得」と見られている。周知の通り、北朝鮮は核開発とそれに伴うさまざまな制裁から財政難に陥っている。
北朝鮮といえばサイバー攻撃や暗号資産へのハッキングで収入を得るケースが指摘されていたが、労働者として働くケースも広がっているのだ。
次ページが続きます:
【日本企業も危うく被害に……】
