上司が「深く考えてほしい」と言うとき、実際には深さが足りないのではなく、考える観点に抜け漏れがある場合がほとんどです。つまり、「もっと時間をかける」のではなく、「見るべき観点を見ていない」という問題なのです。
具体的に「考えが浅い」と感じる状態とはどういうものか。それは「検討の幅が狭い」状態です。
「考えが浅い」が起きる4つの原因
上司が「考えが浅い」と感じるのは、次の4つのいずれかが欠けているときです。
1. 複数の視点から見ていない
たとえば、競合A社が価格を20%下げているという事実に対して、「当社も同じくらい値下げすべきです」と提案したとします。競合分析もしているし、具体的な提案もある。しかし上司は「もう少し深く考えてみて」と言います。
なぜか。価格という1つの要素しか見ていないからです。なぜA社が値下げしたのか、その背景を考えているか。値下げ以外の選択肢を検討しているか。値下げした場合の自社への影響を考えているか――これらの観点が抜けているのです。
2. 選択肢を比較検討していない
「既存顧客へ営業する」「新規開拓を増やす」「代理店経由での販売を強化する」という3案を並べただけでは、選択肢の列挙に過ぎません。なぜこの3つなのか、他の選択肢はないのか、それぞれの実現可能性はどうか――比較検討がなければ、相手は「結局どれが良いと思うの?」としか言えません。
3. 判断の根拠が明確でない
「売上20%向上」「新規顧客100社獲得」といった数字を掲げても、その根拠が不明確では説得力がありません。過去の実績や業界平均を大幅に上回る成果を当然のように想定する、行動と成果の因果関係があいまいな予測――こうした状態が「根拠が薄い」と感じさせます。
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【「考えが浅い」から抜け出すための視点】
