当時、その団体の料金体系は3段階に分かれていた。
月額5000円のライトコース、月額5万円のスタンダードコース、そして月額15万円の最上位コースである。
結果として、遠藤さんは最上位コースを選んだ。
支払う金額が上がるほど、受けられる講座やサポートは手厚くなり、紹介者としての報酬還元率も高くなる。なかでも15万円コースは、「やる気の高い人だけが集まる特別講座」に参加できる点が特徴だった。
この大きな決断の背景には、2つの経験があった。
ひとつは、カナダ留学での成功体験だ。レベルの高いクラスに飛び込み、必死に食らいついた結果、英語力は短期間で飛躍的に伸びた。
もうひとつは、薬剤師国家試験に落ちた過去である。
自分は人一倍やらなければ結果は出ない。そう思い続けてきた経験が、この選択へとつながった。
「やるなら全力で」迷いは、ほとんどなかったという。
バカ高い交際費で財布にお金がない日々
入会後、遠藤さんの生活は一変した。
土日は朝から夜まで講座。
ビジネスの基礎、コミュニケーション、プレゼンの練習、成功者のスピーチ。月に二度の事業説明会では、仲間を連れて参加できるかどうかが大きな勝負どころだった。
平日の夜も、ほぼ毎日、人に会った。仕事を終えたあと、カフェや居酒屋へ向かい、知人やその紹介者と話をした。
仲間を増やすこと――つまり自分より後に入会する受講生を増やすことが、そのまま自分の利益につながる仕組みだったからだ。
その結果、予想していなかった出費が膨らんでいく。
「今までありえなかったくらい、バカ高い交際費がかかりました」
月15万円の受講費に加え、ほぼ毎日の飲食代。交際費だけでも月10万円ほどかかっていたという。
プライベートの出費は極限まで切り詰める日々。気づけば、財布の中に現金がほとんど残っていないこともあった。
「こんなにお金、入ってなかったっけ?って思う瞬間がたくさんありました」
財布の中身も、貯金も、みるみる減っていく。
それでも、「みんなも大変そうだし」と自分を納得させた。
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【貯金はみるみる減っていき…】
