西武鉄道「レッドアロー」と旧型電気機関車の記憶 新旧の特急や黄色い電車、秩父を走った貨物列車
当時、私鉄特急といえば小田急ロマンスカーのNSE3100形、東武のデラックスロマンスカー(DRC)1720形、名鉄のパノラマカー7000系、そして近鉄のビスタⅡ世10100系など、流線形や丸みのあるデザインの車両が目立っていた。
そんな中でレッドアロー5000系は直線的で、とくに前面は独特のゴツゴツしたデザインであり、アニメのモチーフで言えば鉄仮面のような印象を受けた。いわゆるスマートな車両とは一味違う無骨さと貫録に、筆者は一目見て気に入った。
椎名町で見かけた際はその場でモノクロの写真を撮った記憶があるが、残念ながらどこを探しても見当たらない。本格的にレッドアローの写真を撮影したのは、フリーの写真家になってすぐのことだった。正丸トンネルの出口から飛び出してくる瞬間を狙った一枚は、まさにプロの写真家としての一歩を踏み出したころの作品だ。
西武の象徴になった「黄色い電車」
現在も多いが、当時アニメのプロダクションや関係者は西武池袋線の沿線に集中していた。手塚治虫氏の「虫プロダクション」は富士見台駅の近くにあったし、宮崎駿氏や高畑勲氏、筆者が鉄道写真家になるきっかけをいただいた大塚康生氏といった著名なアニメ関係者は池袋線の沿線であった。
筆者が勤務していたプロダクションの事務所は中野坂上にあったが、やはりアニメーターとのやり取りなどでほぼ毎日池袋線の沿線各地を駆け回っていた。当時の車両は「赤電」と呼ばれた旧型車両が多かったが、鮮烈な印象があるのはレッドアローと同時に登場した「黄色い西武」の元祖である101系だ。
レッドアローが個性的なデザインであったのと同様、当時の西武は通勤車両も独特の個性が感じられた。当時は車体の長さ20m・4ドアの車両が国鉄や私鉄の通勤電車の標準になりつつある時期だったが、西武は20m車でも3ドアを貫いていた。前面2枚窓のいわゆる「湘南形」の発展形といえる、非貫通型の前面デザインもユニークだった。ステンレス製の「ヒゲ」も特徴であろう。



















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