「石破叩き→高市応援」一斉転向…再生数に魂を売る理念なき"切り抜き職人"と、ショート動画が招く有権者の盲目

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丹羽先生は同書の中で「そろそろ日本は決断と覚悟を求められる時期」と書かれていますが、まさにそのとおりの状況だと思います。日本人は江戸時代に約260年間平和を守りましたが、明治以降は立て続けに戦争を経験しました。

また、旧ソ連は、第2次世界大戦で2000万人の死者を出したのにもかかわらず、そのことが結果戦争を止めるきっかけになっていないというご指摘は、「特別軍事作戦」で20万人以上とも言われる死者を出した今もなお、ロシアが戦争を辞めない理由を雄弁に語っているように感じ、薄ら寒いような思いを抱きました。

「万バズ」という数字に潜むワナ

僕は、SNS上で「バズった」意見が、多くの人に支持されているように捉えられる風潮を危険だと感じています。かつては「ネットではこう言われているが、リアルは別」という前提がありました。しかし、特に政治については、24年の衆院選あたりから、ネット世論がそのまま実際の世論になっていく現象が起きています。

バズる投稿には、「これは拡散しなくてはいけない」と思わせるような危機感や正義感をあおる内容が多いという特徴があります。感情をあおるエモーショナルな意見が広がりやすく、冷静な意見や、現状維持を肯定するマジョリティの声が伝わりづらくなっているのです。

ここで冷静に考えたいのが、「万バズ」という言葉の重みです。

・テレビの視聴率なら、1%で100万人と言われます。

・日本国民1億人で見れば、1万人は0.01%にすぎません。

これを「世論」とするのは、明らかに勘違いでしょう。また、その「1万いいね」が、すべて人間によるものなのかという問題もあります。海外では、大量のAIボットが、特定の意見に「いいね」を押しているという事実が報告されています。少数派の意見を誇大に受け取る傾向が強められており、非常に危険です。

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