「ウサギ300匹で多頭飼育崩壊」「狭くて頑丈な檻に動物たちが…」 廃園寸前の"三重の動物園"を救った園長の"執念"

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野生動物の未来をつなぐため、保全活動にも力を入れている。三重県内で激減している特別天然記念物のカモシカを守るため、衰弱したカモシカを治癒する保護施設を非公開エリアに設置。また、三重県はオオサンショウウオの貴重な生息地でもあるが、戦後食用として持ち込まれた中国産のチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種が増えて在来種が減少しているという実態がある。

「そのため、ここではあえて交雑種を展示しています。地元にどんな動物が生息して、どんな問題があるのかを伝えていくことが地域密着型の動物園の意義。動物を見て『かわいい』で終わるのではなくて、自然環境全体について考えるきっかけになれば」

ごかつら池どうぶつパーク
オオサンショウウオの交雑種(写真:ごかつら池どうぶつパーク)

取り組みが功を奏し、現地調査などの厳しい審査の末、2025年4月に三重県の動物園として初めて日本動物園水族館協会に加盟が実現。県内では鳥羽水族館、伊勢シーパラダイスに次いで3カ所目となった。

クラファンで2800万円以上の支援が集まる

しかし、リニューアルオープンしたものの物価高騰などの影響で資材が入らず、改修が完了しているのは園の半分だけ。町の財政状況も厳しい中でより早く残りの改修と新規動物の受け入れを進めるために、髙橋さんは2025年10月にクラウドファンディングに踏み切った。クラファンサイトの担当者からは、園の知名度をかんがみて「目標金額は500万円程度が現実的」と言われたが、必要資金である1000万円に設定。

「いざ始めてみると期待通りには伸びず、心が折れかけました。でもあるとき、私がズーラシア勤務時代に来園してくれていた顔見知りの方が『髙橋さんが三重の動物園で頑張っている』と聞きつけて、多額の支援をくださったんです。そこから一気に支援の輪が広がっていきました」

SNSでも応援コメントが続々届くように。締め切り日の直前に、日本動物園水族館協会の加盟動物園からマヌルネコ、スナネコなど希少動物の受け入れが実現した。有言実行の姿勢が伝わり、さらに支援は拡大。最終的には約1000人の支援により2800万円超の金額が集まった。

ごかつら池どうぶつパーク
神戸どうぶつ王国から受け入れたスナネコ、マヌルネコ(写真:ごかつら池どうぶつパーク)
ごかつら池どうぶつパーク
クラファンで目標金額を達成(画像:READYFORホームページより)

「動物ファーストの取り組みを支持していただけたことが本当にうれしかったです。応援メッセージには、『動物たちのためにありがとう』『今後も楽しみです』などの言葉や、多気町やごかつら池の温かい思い出がつづられていて励みになりました」

支援者の期待に応えるためにも、2年後を目標に未着手エリアの改修を終えて全面オープンさせたいと話す。現在はオスを迎え入れて繁殖を目指すカラカルの獣舎と、新たに来園するコウノトリの獣舎の工事に着手。進捗はSNSやHPで発信していく。

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