「ウサギ300匹で多頭飼育崩壊」「狭くて頑丈な檻に動物たちが…」 廃園寸前の"三重の動物園"を救った園長の"執念"

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「ここからが本番」と髙橋さんが語るように、運営を安定させていくにはまだ課題がある。リニューアルした2024年度の来園者数は3万3832人と上向いたが、2025年度は酷暑の影響もあって客足はあまり伸びず。収入面は入園料が頼りという中で厳しい状況だ。

「多気町は人口約1万3000人と過疎化が進む地域で、2031年度に4小学校の統合が予定されています。そもそも子どもの数が減っていますから、待っているだけではお客さんは来ない。町内の幼稚園や小学校にウサギやカメなどの小動物を連れて行く『出張動物園』を開催し、現地に来てもらえるようにPRしているのも戦略の一つです」

「わざわざ来たくなる動物園」に

最寄り駅からのバスがないなどアクセスも悪い中で「わざわざ来たくなる動物園」にするための工夫も必要だ。園長のもと9人のスタッフがアイデアを出し合い、SNS発信やイベント開催、グッズ開発など、全国から一人でも多くの人を呼べるような仕掛けも絶えず行っている。

「スタッフは20~30代でやる気にあふれています。でも私はけっこう厳しく指導しますし、おのおの創意工夫が求められるので、大変だろうと思います(笑)。人数が少ないぶん意思決定も早いので、スピード感を持って物事を進めていけることが大きな強みです」

ごかつら池どうぶつパーク
髙橋園長と9名のスタッフ(写真:ごかつら池どうぶつパーク)

ごかつら池どうぶつパークの実績が認められ、株式会社ウェバレッジは4月から京都の福知山市が所有する福知山市動物園の管理運営を任されることになった。同じく今後は日本動物園水族館協会への加盟を目指すという。2つの園が連携できるようになれば、動物やスタッフの交換をはじめ、さまざまな相乗効果が期待できるだろう。

重責を負う髙橋さんだが、動物園づくりの原動力は何なのか。

「この仕事が好きだという気持ちが一番の原動力です。今は動画を見れば動物の姿も鳴き声もわかりますが、やっぱり本物に会うことでしか感じられないものがある。動物たちを守りながら、生き生きとした姿を多くの人に伝えていきたい。その信念をもって進んでいます」

ごかつら池どうぶつパーク
ウガンダの動物園にて(写真:ごかつら池どうぶつパーク)

ごかつら池どうぶつパークの大きな挑戦。成功に導けば、今後同じように課題を抱える地方動物園の希望になっていくはずだ。

小新井 知子 ライター

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こあらい・ともこ / Tomoko Koarai

編集プロダクション、音楽雑誌編集部、週刊誌編集部などを経て、2023年よりフリーライターに。Web、紙媒体にて人物インタビュー、ライフスタイル、実用、エンタメ系などの記事を担当。

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