「ウサギ300匹で多頭飼育崩壊」「狭くて頑丈な檻に動物たちが…」 廃園寸前の"三重の動物園"を救った園長の"執念"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

髙橋さんがまず目指したのは、動物園自体のレベルの向上だった。昭和の動物園は、珍しい動物を見るためのレジャー施設という側面が強かった。しかし近年は生物多様性保存や環境教育などの社会的役割が強まるとともに、動物の待遇を改善する動物福祉(アニマルウェルフェア)への配慮も求められている。

「前任の管理運営会社が動物専門ではなかったので、その視点が圧倒的に欠けていた。人、動物、生態系が健康でいいバランスで支え合う『ワンヘルス』をコンセプトに、動物の住環境もスタッフの飼育技術も令和の基準にアップデートしなければならないと思いました。その先の大目標として日本動物園水族館協会への加盟を掲げたんです」

日本動物園水族館協会は1939年に設立した歴史ある組織で、上野動物園やズーラシアなど全国計140の動物園と水族館が加盟している。審査を通って加盟できると、ほかの園館と連携協力した人材交流や育成、種の保存を目的とした希少動物の施設間移動が可能になり、知名度向上にもつながる。

えさやりの大幅制限にクレームが殺到

リニューアルで特に注意したのが、動物の住環境。ヤギやクビワペッカリーは山の斜面に放牧するなど、生息地に近い環境づくりを行った。さらに獣舎の広さに対して密な飼育頭数にならないように動物を分散させ、ゆとりある居住スペースを確保。また予算不足で業者に依頼できない獣舎内は、スタッフがDIY。髙橋さんがズーラシアオープニング時代の経験を伝えながら、土を敷いて石や木の枝を配置するなど、動物にとって快適な環境整備が進められた。

ごかつら池どうぶつパーク
石や木材を使ってDIYした獣舎(写真:ごかつら池どうぶつパーク)

もう一つ大改革となったのは、動物のふれあいやえさやりに時間や量など大幅に制限を設けたこと。しかしリニューアルオープン後、通いなれた客からの猛反発を招いた。

ごかつら池どうぶつパーク
リニューアル後、ウサギのふれあいとえさやりは土日祝日の30分のみと制限した(写真:ごかつら池どうぶつパーク)

「ふれあいやえさやりはニーズが高いため園のアンケートで苦情の声が多く寄せられただけでなく、『無制限という一番よかったサービスをなくすなんてどういうことだ、金返せ!』と直接私におっしゃる方もいました。でも動物の健康を第一に考え、方針は変えませんでした」

次ページ保全活動にも“力”
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事