もちろん、イラン戦争は継続中であり、サプライチェーンやエネルギー供給に与える影響は無視できないが、現時点ではアメリカ経済や金融システムを大きく毀損するリスクは大きくない。
要因としては、アメリカが中東の原油に依存しないエネルギー大国であることが大きいが、加えて米企業の業績見通しが依然として強いことも、米国株の下支えとなっている。
2026年第1四半期(1~3月)のEPS(1株当たり利益)成長率は、イラン戦争開始前の時点で12.7%の伸びが見込まれていたが、足元ではプラス14.4%に上方修正された。
エネルギーセクターが上方修正されるのは当然だが、情報技術セクターが大幅に上方修正されている点は見逃せない。AI、半導体、防衛、エネルギーといった分野では投資拡大期待が根強く、利益成長の持続性が損なわれていないのだ。
雇用と消費もなお底堅い。直近の3月アメリカ雇用統計の非農業部門雇用者数は、市場予想の6万5000人を上回る17万8000人の大幅増となった。失業率も前月から低下している。
もっとも今回の雇用統計は、労働参加率の低下や平均賃金鈍化、週労働時間の減少などを伴っており、見かけほど強い結果ではないものの、アメリカ労働市場に景気後退を意識させるような異変は生じていない。
家計部門も大きく崩れておらず、企業収益の基盤となる内需が維持されている。このため、金利上昇や地政学リスクがある中でも、「業績相場」の土台が残っており、イラン戦争後の株価は、時間の経過とともに落ち着きを取り戻し、年後半に向けて回復していく可能性が高いと考える。
“ねじれ”は株価にとってマイナス
ただし、見逃せないリスク要因も浮上している。2つ指摘しておきたい。



















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