46歳で海外移住→69歳で"イギリス人夫"と死別 それでも日本には帰らず… 73歳女性《ヨーロッパひとり暮らし》のリアル
暮らしを支える経済的な基盤もある。月々の生活費は約20万円。家の維持費はかかるが、医療費はスペインの公的医療でカバーされる。夫の闘病中も、治療費の自己負担はなかった。
収入は父親から相続したマンションの家賃と、日本で働いていた分の年金。唯一の贅沢は、日本米を食べていること。
夫の書いた日記を何度も読み返す
取材に行った日、夫が旅先でつけていた日記を見せてもらった。広子さんの名前が出てくる箇所がいくつかある。
あるページに、星印がついていた。以前、夫婦で泊まったバンコクのホテルの話だ。人懐っこい太った猫がいて、いつも同じ場所で寝そべっていたという。夫はひとり旅でそのホテルを再び訪れたらしい。星印の横に、こう書かれていた。
<☆広子に言うこと。あの時の太った猫はね、まだあそこで寝てるよ>
ただそれだけのこと。たわいもない、小さな報告。でもそれを、帰ってきて広子さんに話したかったのだ。広子さんはその日記を何度も読み返しているという。
「ねえねえ」と言う相手は、もういない。でも、居間の写真の中の夫は、あの頃と同じ顔で今もそこにいる。
今日も広子さんは、その写真に話しかける。
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